日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

松の新芽

2023年05月06日 | 回想

 松の新芽が伸び始めると思い出すことがある。1964(昭和39)年は東京オリンピックが開催された年。余談だが、この大会では先の2021年東京五輪のように大会を汚す事件は報道されなかったと思う。初めての東京五輪の年に父は住んでいるとは別の場所に、終の棲家を建てた。五輪工事で資材が高騰したのは昔も今も変わらない。

 趣味で庭師のまねごとをしていた父の知り合いが、小さな池と築山、松など庭木を数本使い庭を築いた。庭木の剪定は父の急逝後もその知り合いが亡くなられるまで続いた。若くて手入れなどに興味もなく過ごしていたので、どうしよう、頼めば出費がかさむし、さてどうしよう、困った困ったと悩んでいた。

 自治会で同じ班の職業庭師の人が「松の手入れを教えるから自分でやれ」と声を掛けてもらえた。その時、新芽を摘む時期とその方法を、脚立に乗せた足場板の上で教わった。芽の処理は年に2回、2回目に古い葉をむしり取る、そのときに形を整える。一人作業になって、私が仕事で留守の時に何度か見に来られたと家内から聞いていた。

 「年を取ると庭木の丈が低くなる」という我流で剪定する先輩の話を記憶している。父の終の棲家とは別のところへ私も建てた。狭い庭だが植えた木の剪定ならぬ枝切りは我流、安全を保つため先輩の話しどおり丈が短くなった。見上げる丈の松のよく育った新芽を見ながら50年以上も前を思い出していた。

 (今日の575) 新芽摘むすまんと思うときもあり
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする