息子が小学生の頃の話し。地区の子ども会の世話を何年かさせてもらった。年間を通して自治会と共催する子供向けの催しはいくつかあった。その中で、夏休みの呼び物の一つに「肝試し」があった。今のようなビックリハウスなど無い。蚊に刺されながら世話人は準備する。
場所は町内にあるお寺の墓所。日暮れを待って始まる。仲の良い上級生が下級生を誘ってスタートする。あたりは暗闇、足元に気をとられて歩いていると突然火の玉が前を横切る。少し進むと白い布が浮かび出る。突然、懐中電灯で照らされたお面の顔が墓石の上に現れるなどなど。道順はケガや事故の起きないよう考えて設定してある。子どもらの叫び声が大きいほど世話の苦労が薄れた。
盆を過ぎ少し時期遅れになったが先日「岩國怪談探訪地図」が、其の壱(横山編)に続いて其の弐として錦清流編が作られた。江戸期に書かれた「岩邑怪談録(がんゆうかいだんろく)」などをひもとき、土地の伝説を追って作られたとある。其の弐「清流編」は錦川の源流となる幾筋もの川を辿るように続く古道と繋がっているている。
現実の世にも凡人では解せない事故や事件、政が多くある。なかには約束の言質は守られず説明のないまま闇に葬られることも起きている。これらは妖怪のしわざかもしれない。妖怪は科学的知識では理解できない存在という。地図を探りながら今の世と江戸時代の妖怪を比べてみたい。
(今日の575) 怪談を動画にしてと今の子は