想像もつかない強大な自然災害が続く。最近は、当然のようにその状況がTVで中継されるものと思い込んでいる。それをどこかで期待していることも否定できない。送りだす側の報道としてはいかに速報するかという使命感があるだろう。また、それを可能にさせる放送技術の進歩が陰で支えている。
台風21号でも繰り返し暴風の中で中継が繰り返された。中継したアナが翌日のスタジオで「命の危険を感じる風を始めて経験した」と振り返ったという。それは、スタジオから「危ない」という声が出るほどの状態だったとある。「立っておれません」「今にも飛ばされそう」などは台風実況では珍しくない。ヘルメットを抑えマイクを握る、そんな画面を繰り返し見て来た。
NHKは「安全な建物の間から中継しています」が多い。民放の実況する声を聞きながら、安全第一と思うが現場ではどのくらい配慮されいるのだろうか、視聴する側からうかがい知れない。
救助に当たる人らは完全装備、当然といえばそうだが、震度7の北海道地震でもヘルメット着用なし、半袖Tシャツの上着、スーツ姿で被災現場から余震への注意を呼び掛ける中継は、中継のための中継のようだ。報道することが仕事と思うが、その前に身を守ることに徹して欲しい。「命の危険を感じる」そんな中継は望んでいない。