月初めの墓掃除に出かけた。盆の墓参りから半月ほどだが、潤いをもたらしてくれた雨、一緒にやって来た風の影響で小枝や木の葉が思うがままに散らばっている。まあ、よくあることで驚きはしないが、濡れており集めるに時間がかかった。ゴミを袋に入れているとき羽根音たてやって来たものがいる。それはすっかり忘れていた「蚊」だった。
この夏は「殺人的」という物騒な表現も使われた暑さだった。暑さの各種記録を各地で更新したことも話題になった。ということで「暑くなって、一度も蚊に刺されなかった。こんなことは初めてだ。連日の猛暑が蚊の活動を止めた、こんな珍説をたて出番の無かった蚊取り線香を仕舞う」というような短文を書いて投稿したばかりで思わず苦笑した。
「蚊は35度を超えると人の血を吸う意欲が減り、日中には日陰でじっと休む」、「今年は猛暑で水たまりが干上がり、蚊の幼虫のボウフラが減った」、専門家の話が載っている。私の珍説も外れてはいなかった。9月になると猛暑まではいかないものの暑さが続けば蚊の活動は始まる」と油断は禁物と注意を呼びかけている。蚊取り線香の再登場はあるのか。
セミの鳴き声も聞き始めが遅かった。羽根を下にして地面に転がっているセミを多く見た。触ると勢いよく飛び去っていくセミに何度かほっとしたが、大方は息絶えていた。昆虫は体温調整機能がない変温動物なので、気温が高くなりすぎると動きが弱まる。セミも人間と同じように夏バテしたという。暑さクワバラクワバラ。