
こんにちわ、私は「ケムシ」です。私と同じ呼び方をされる人もおられますね。その方は「いじわるな嫌われ者」と良くない評判を持った方のようですが、ご本人が気づいていない場合にはますます嫌われるようで、本当の毛虫も迷惑しています。
陽が差し始めると周りの若葉を貰いに出てきます。どうしてかって、やがて蝶や蛾に姿を変えるためです。蝶や蛾になる幼虫で毛が生えている仲間を「毛虫」と呼びます。長い毛のない代表はよくご存知の「いもむし」です。
桜の花が若葉に変わるとそこは私らの住みかのひとつです。皆さんが木の下を歩かれていると、目の前にスーと上の方からご挨拶に伺う事があります。挨拶を返してもらう事はありません。大声を出して逃げていかれるか、糸を引きちぎられ踏み潰されます。儚い命とはこのことでしょうか。
儚い命といえば、この季節には道路を横断する仲間が沢山いる。子孫繁栄のためなのか、勇気あるところを見せたいのか、より住みよい別天地求めてなのか分からないが、途中で輪禍にあう。大方の人は気づかない。
横断する仲間の姿をこっけいだ、思ったよりスピードがあるなど応援してもらう事もある。私はもうしばらくここで柔らかい若葉をいただく。この姿は蝶にはなれないようだが、どんな姿で飛べるのか、私は知らない。夜の蝶というが夜飛ぶのは蛾。夜はどな蝶が飛んでいるのだろう。脱皮したら捜してみよう。
(写真:私は何という蛾に変身するのでしょうか)