日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

公園に流れるワルツ

2010年04月12日 | 町かど
               

その胸像の前にさしかかると、ワルツのテンポで静かな「美しき天然」のメロディーが奏ではじめられる。初めて訪れた人は驚かれる。その作曲者が胸像の田中穂積。1900(明治33)年に作曲された。曲の名前は知らなくても、サーカスや映画、チンドン屋のジンタとして演奏されていたといえば、思い出す人も多かろう。

田中穂積は1855(安政2)年岩国市横山で誕生。幼少より音楽に天賦を有し、終生軍楽隊に席を置きその発展に貢献した。1904(明治37)年佐世保海軍病院で永眠、享年50歳。あの高名を馳せている軍艦マーチも、その原曲は田中穂積の手になると言われている。

胸像は吉香公園にある。周辺の美しい四季の装いを舞台にして流れる美しき天然は、曲名にふさわしい風景の中にある。胸像そばの曲碑を見ながら口ずさむ人も見かける。この歌は佐世保女学校の生徒が愛唱するために作られた。歌詞の背景は長崎県九十九島という。

胸像が建って50年余。周辺も、訪れる人も大きく変わった。「自ら持すること謹厳、人に接すること謙譲、卓越した識見と高潔な人格」といわれた田中穂積、どんな思いで世の変化を眺めているだろうか。

(写真:田中穂積の胸像と曲碑)
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