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ギャツビー裁判

2022年01月21日 21時21分04秒 | 文学
アーザル・ナフィーシーの『テヘランでロリータを読む』(河出文庫)はぜんぜんおもしろくないなと思いながら読んでいたが、「ギャツビー裁判」のところがむちゃくちゃおもしろい。
イスラム世界のことがよくわからないのだが、イスラム社会で『グレート・ギャツビー』を学校で読んで、ギャツビーを裁判にかける授業を行う。日本の60年代の学園紛争あたりの雰囲気で、楽しいことがいけない、というような窮屈なことをいうような人が大勢いて、そこで『グレート・ギャツビー』に代表されるアメリカ的なものに対して良いか悪いかを討論する。
『グレート・ギャツビー』ってよくわからない話だなと思って、何度か読んだがあらすじすらよく理解できない。なんとなくギャツビーがプールで死んでいるイメージ。
しかしこの「ギャツビー裁判」を読むと『グレート・ギャツビー』がむちゃくちゃ名作なんではないかと感じた。(「むちゃくちゃ」は『ネプリーグ』の最後で商品説明を行う村瀬哲史の言い方で。)
『グレート・ギャツビー』のことがよくわかる気がした。『グレート・ギャツビー』を読んでみることにする。

赤坂真理の『東京プリズン』という何故か高評価だった小説があったが、これを目指したのかもしれないと思った。
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シェイクスピア『ロミオとジュリエット』

2022年01月21日 00時35分29秒 | 文学
シリーズ全巻揃えるとかそういうのがわりと好きで、ちくま文庫の松岡和子訳の『シェイクスピア全集』の全訳が完結したので気になっていた。でもよく考えてみたら、シェイクスピアをおもしろいと思ったことがこれまでほとんどないので全巻揃えても読まないだろうなと思い気になるものだけ読んでいくことにした。
河合隼雄と松岡和子の対談をまとめた『決定版 快読シェイクスピア』(新潮文庫)を読んで取り上げられる作品を読んでみる。

シェイクスピア『ロミオとジュリエット』(ちくま文庫)を読んだ。
ずっと昔に平井正穂訳で読んだこともあるはずだし、さまざまなところで引用されるので知らない話ではないのだが、改めて読んでみるとこんなに(簡単に)人が死ぬ話なんだなと思った。
ロミオとジュリエットの他に、ティボルトに刺されてマキューシオが死に、そのティボルトはロミオに刺されて死ぬ。さらにロミオはパリスも殺す。またロミオの母親のモンタギュー夫人も息子が追放された悲しみで死んでいる。ロミオに関わると長生きできない。
悲劇と言われると読んだら悲しまなければいけないような気が若い頃はしていて、そういう読み方をして「ぜんぜん悲しくないじゃんか。つまんない。」と思っていたが、いま読んでも悲しくはない。おもしろくはあった。
ロミオとジュリエットは幼馴染みで昔から親に反対されながら密かに恋をしていたのかと思いこんでいたが、そんなことはなくて仮面をつけたロミオとジュリエットは初めて逢って好きになって数日後にふたりとも死んでしまう。ロミオはジュリエットに出会う前はロザラインという女性に恋をしている。

昔いくつか読んだときはシェイクスピアはくだらない言葉遊び(ダジャレ)みたいなものが多くて、これの何が面白いんだろうと思っていたが、そんなに読めてないせいか今回はそこはそんなに気にならなかった。
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