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☆黒澤明監督「八月の狂詩曲」

2008年12月27日 19時36分18秒 | 映画
八月の狂詩曲黒澤明の「八月の狂詩曲」はなんだか懐かしい映画だった。
昔一度テレビで見て、ところどころ憶えているシーンはあったがそういう意味ではない。出演している孫役の俳優が昔のテレビドラマを思い出させた。長渕剛のテレビドラマとか、田村正和の「パパはニュースキャスター」とか。
それと、これはなぜかよく分からないけれど、大江健三郎の小説「静かな生活」も思い出した。両親のいない夏休みの雰囲気だろうか。
おばあちゃんの家でいとこが集まるという雰囲気もとっても好きで、懐かしかった。
もっと原爆反対の映画なのかと思っていたが、それほど気にもならなかった。
こっちにそれをまともに受け取る気がないというか、用意が出来てないからだろう。
なんだかあのおじいちゃんも同じことばかり言って退屈だけれど、言い方に味があるのよね。繰り返し聞いてるとくせになる。それにあんなこと言う人最近あんまり見かけないこともあって、珍しいって言うか……。
黒澤明に対してはそのような印象になりつつある。
これは大江健三郎に対する印象とかぶる。

嵐のなかでおばあちゃんの傘が裏返しになるのがどういいのかよくわからない。
NHKで放送していた、「八月の狂詩曲」のドキュメンタリー番組や若者の質問に答える番組を先に見ていたので、そのせいかもしれない。すごいすごいと言われすぎるとどこがすごいか見てやろうという意地悪な気持ちになるものだ。
しかし若者の質問に答える番組では黒澤明がとっても良い真面目な人で好感が持てた。
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☆半藤一利「それからの海舟」

2008年12月27日 11時03分47秒 | 文学
それからの海舟 (ちくま文庫)半藤一利「それからの海舟」(ちくま文庫)読了。
明治になってからの勝海舟のことがよく分かる。
司馬遼太郎の小説で言うと、「翔ぶが如く」の時代が描かれていてあの小説で読んだシーンを思い出した。「翔ぶが如く」はとても長いしそんなにおもしろい小説でもなかったと思うので「それからの海舟」を代わりに読んでもいいかもしれない。
司馬遼太郎と同じで半藤一利も幕末から明治を語るときに、太平洋戦争のことを悪い見本として引き合いに出す。丸山眞男も同じようなことをしていた。
これはある世代のひとが何が起ころうと全共闘の学生運動を引き合いに出すの同じなのだろうか。
司馬遼太郎の小説で最初にその使用法を見たときに「関係のない時代のことを突然言うんじゃねえよ」と思ったものだ。
僕らの世代にそこまでの大きなことが恐らくないのでちょっとよく理解できない。
どのようなアメリカ映画を見てもそこに9.11の痕跡を見るひとはいるがこれは自国のことではないし、サリン事件にしても結局はテレビで見たことであって、太平洋戦争のようなみんなが当事者というようなことって起きてないんじゃないかなあ。ちょっと想像ができない。

半藤一利の語りを読んでいると綾小路きみまろの漫談を聞いているような、そこはかとなく寂しい、越え難い距離を感じる。

勝海舟と福沢諭吉の敵対関係がよく分かった。
それが読んでもっとも良かったところだ。
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