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☆黒澤明監督「まあだだよ」

2008年12月26日 00時03分04秒 | 映画
まあだだよひどい下痢になる。
だいぶもとに戻る。
最近身体が弱っているのかもしれない。
よく思うのだが、いまを中心に考えて、そこから過去と未来を考えてしまうので、いまのような時代でずっと来て、これから将来もいまのままでずっと続くと思ってしまいがちだ。
身体の調子が悪い時は、これまでもずっとこんな感じだったし、これからもこのまま悪いまんまだろうと思ってしまう。で、絶望的な気持ちになる。
黒澤明の映画「まあだだよ」を見ていたら、主人公の松村達雄が戦争で家を焼け出されて妻の香川京子とふたりで物置小屋のような狭い場所で暮らしていた。
お腹を下したくらいで絶望してはいけないと思い直す。
「まあだだよ」は最初、映像の感じがどうも伊丹十三監督の最初の頃のものを思い出させて「お葬式」あたりが見たくなった。
先生がしゃべって教え子たちが笑うという何度も繰り返されるシーンにはじめはどうもついていけなかったのだが、だんだんとそれもいいかな、という気分になって少しずつおもしろくなった。
私は小学校時代にも、教室で最後に笑う生徒だった。
映画を見てまた内田百の「ノラや」が読みたくなった。いつか読もう。

黒澤明といえば、「八月の狂詩曲」のときに子役たちに「私は怖くないだろう?」と言ったら子役たちが「怖くありません」と声を揃えて言ったという話があって、それを黒澤明がほんとうは怖くない証拠のように語られていたが、私などは話を聞いて、ほんとうに怖いおっさんだな、と思った。
「私は怖くないだろう?」と訊いたら、子供のひとりくらいは「たまに怖い」と笑いながら言えるようなひとのほうが私は好きだ。
そのような恐怖政治のようなものが「まあだだよ」にも少しだけ感じられる。
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