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☆半藤一利「それからの海舟」

2008年12月27日 11時03分47秒 | 文学
それからの海舟 (ちくま文庫)半藤一利「それからの海舟」(ちくま文庫)読了。
明治になってからの勝海舟のことがよく分かる。
司馬遼太郎の小説で言うと、「翔ぶが如く」の時代が描かれていてあの小説で読んだシーンを思い出した。「翔ぶが如く」はとても長いしそんなにおもしろい小説でもなかったと思うので「それからの海舟」を代わりに読んでもいいかもしれない。
司馬遼太郎と同じで半藤一利も幕末から明治を語るときに、太平洋戦争のことを悪い見本として引き合いに出す。丸山眞男も同じようなことをしていた。
これはある世代のひとが何が起ころうと全共闘の学生運動を引き合いに出すの同じなのだろうか。
司馬遼太郎の小説で最初にその使用法を見たときに「関係のない時代のことを突然言うんじゃねえよ」と思ったものだ。
僕らの世代にそこまでの大きなことが恐らくないのでちょっとよく理解できない。
どのようなアメリカ映画を見てもそこに9.11の痕跡を見るひとはいるがこれは自国のことではないし、サリン事件にしても結局はテレビで見たことであって、太平洋戦争のようなみんなが当事者というようなことって起きてないんじゃないかなあ。ちょっと想像ができない。

半藤一利の語りを読んでいると綾小路きみまろの漫談を聞いているような、そこはかとなく寂しい、越え難い距離を感じる。

勝海舟と福沢諭吉の敵対関係がよく分かった。
それが読んでもっとも良かったところだ。
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