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☆無常という事

2008年12月31日 17時05分34秒 | 文学
注文した「小林秀雄全作品」(新潮社)が10冊ほど届いた。あと3冊でコンプリート。
その3冊も来年早々に届く予定。
全集は気になるものからちょっとずつ買って読んでいこうと思っていたらなかなか揃わない。中原中也だとかサント・ブーヴだとかに興味がないのでなかなか買わない。いくら小林秀雄が好きでも小林秀雄が好きなものがすべて好きなわけではないのだ。
今回は自分へのご褒美ということで全部揃えた。このようなことがないとなかなか買い揃えられない。

小林秀雄全作品〈14〉無常という事福沢諭吉の「文明論之概略」もまだ途中なのだが、嬉しくなって14巻の「無常という事」と題された巻を読んだ。昭和16年から昭和20年のころのもの。
ちょうど「文明論之概略」について書かれているところが何箇所かあって少し驚く。こういうことがあると、読むべき時に読むべき本に出会っていると思い嬉しくなる。こういうことはわりとよくある。
このころ小林はパスカルの「パンセ」を読んだようで、ひどく褒めていた。モンテーニュの「エセー」よりも上だと言っていた。
ほんとだろうか。
「エセー」にはずっと興味があるのだが、「パンセ」にはあまり興味がない。しかし、読んでみようか、という気分になる。
「論語」について好意的に書かれてある。福沢諭吉を読んでいると悪の権化のような感じがしてくるのだが。
あとは対談していた三木清に興味を持った。「人生論ノート」。読んだことないが名著らしい。私は名著に弱い。いや「名著」という言葉に弱い。
ドストエフスキーと和歌(西行と源実朝)にはまるで興味が持てなかった。文庫の「無常という事」に収められているものには今回あまり心を動かされなかった。
じかに経験しろ、ということを小林秀雄はしきりに言っていた。
いまは17巻「私の人生観」を読んでいる。チェーホフの「桜の園」、イプセンに興味を持つ。
このまま読み続けると福沢諭吉に戻れなくなりそうなのでいい加減なところで昭和20年から明治に戻らなければいけない。
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