戦争を知らない人のための靖国問題文藝春秋このアイテムの詳細を見る |
本と言うものは自分の好みで選択、購入するとその関心・興味の範囲は自分の延長線にあり、自分の世界観や価値観を揺るがすようなインパクトはないと言える。その意味で学校の課題・教材や人から贈与された書は自分の嗜好と違う世界を提供してくれるので、革新・打破性がある。
本書からそうした衝撃を受けた訳ではないが、読み進むうちに“しょうもない偏狭、国粋小母さん”という決め付けが揺らいで来る。少なくとも、こうした視点もあるのかと拓いてくれる。
先に日経がスクープした富田元宮内省長官のメモの金科玉条や普遍性には多少疑問を生じさせる。もちろん勝者が敗者を裁く東京裁判の不合理性には同感。と言って中韓両国がサンフランシスコ平和条約締結49ヶ国に入っていないからクレーム資格が無いと言う所論には説得性を感じなかった。
印象に残ったのは相当以前からの行っていた著者の東条見直調査作業。A級戦犯首班説への疑義は判るが、それを支持した当時のマスコミと国民の総懺悔になるのか。そんな当時の世相にあって“獄中18年”一貫して戦争反対を貫いた日本国民徳球を先頭とする共産党首脳への評価はどうなるのか。
ともあれ、お贈り頂いた天笠さん!ちゃんと読みましたよ。