04年2月10日北京行きの機上で紐解き、6月4日大阪からの帰京「ひかり」車中でようよう読了。 伊・仏等で数々の文学賞を受けた今世紀最大とも言われる上下800ページを越す 「書の書」とも言われる問題小説。「堪能した」と言いたいところだが実際は気息奄々、ひたすら文字とページを追っただけ。
7日間の中世教会内での連続殺人事件の追想録という聖職者が目を剥きそうな設定だが内容は中世史やキリスト教、異端・正統間の神学論争、博物・記号論、書と文字に関する浩瀚な記述万溢。
例えば「聖者の避難所、美徳の晩餐室、叡智の聖遺物匣、思慮の方舟、知識の巨塔、 柔軟な囲池、堅忍不抜の稜帆堡、聖徳の吊香炉」(上163P)等々の語彙が累々ほ とんど全ページに展開する。
真の読書人にはこの浩瀚、絢爛たる語彙と形而上概念との曼荼羅にはさぞかし耽溺するだろう。 こちらも読了後、なんだか形だけでも世界の読書人になった気分。
それにしてもこのイタリアの中世美学と記号学者の原著を前に翻訳に挑戦した河島氏、ショーン・コネリーを立て映画化を試みたジャンジャク・アノー監督には敬礼、 脱帽。 私の「敬礼、脱帽」がなんの意味もないと思うが。
7日間の中世教会内での連続殺人事件の追想録という聖職者が目を剥きそうな設定だが内容は中世史やキリスト教、異端・正統間の神学論争、博物・記号論、書と文字に関する浩瀚な記述万溢。
例えば「聖者の避難所、美徳の晩餐室、叡智の聖遺物匣、思慮の方舟、知識の巨塔、 柔軟な囲池、堅忍不抜の稜帆堡、聖徳の吊香炉」(上163P)等々の語彙が累々ほ とんど全ページに展開する。
真の読書人にはこの浩瀚、絢爛たる語彙と形而上概念との曼荼羅にはさぞかし耽溺するだろう。 こちらも読了後、なんだか形だけでも世界の読書人になった気分。
それにしてもこのイタリアの中世美学と記号学者の原著を前に翻訳に挑戦した河島氏、ショーン・コネリーを立て映画化を試みたジャンジャク・アノー監督には敬礼、 脱帽。 私の「敬礼、脱帽」がなんの意味もないと思うが。
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