働くひとのためのキャリア・デザインPHP研究所このアイテムの詳細を見る |
大部の村上龍の「13歳のハローワーク」は別として高橋俊介著の「キャリア・ショック」、玄田有史著「仕事のなかの曖昧な不安」に続く就職・キャリアシリーズの本書。“最低努力投入量”で有名な著者だがこれはジョン・クランボ・スタンフォード大教授のMinimum Effort Requirementの引用であることを知る。本書は当社中村専務から紹介受けた。
67歳でキャリア・デザインは無いだろうが、この処よく就活や創業、組織継続等主題の講演を依頼されるに付け、これら最新の研究成果に触れ、節目としてのTransition論、日本社会に於けるキャリア・デザインと人間関係、即ち人脈形成の重要さ、“何を始める”かもさることながら”何が終わったか“の総括”は輸入理論ではない実証研究成果を感じた。
中でも雇用者として参考になったのはRealistic Job Preview論。つまり、会社や仕事は楽しいばかりではなく“何が辛くシンドイか”をしっかり表示すること。そしてそれを克服することのやり甲斐や達成感を示す。会社幹部は自社の入社案内を見ること。そこに書かれていることが現実にどの程度実現されているかの検証要。面接時“社員の意向尊重”を謳いながら、アサイン時には本人意向やそのアサインの背景や必要性等の説明一切無く、官僚組織よろしく一方的事例交付の挙句、退社され“採用失敗でした”と片付けた当社事例の反省。
新書版ながら、読み方によってはエリクソンのライフ8段階説とシニア段階で良くも悪くも“若年者へ自分を語れる”幸せ等それぞれの立場やライフサイクルで参考になる記述等中味は濃い。
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