![]() | と銀行 三菱東京UFJ“汚れ役”の黒い回顧録 (現代プレミアブック)森 功講談社このアイテムの詳細を見る |
原本は08年「月刊現代」に掲載されたノンフィクションで同年の「編集者が選ぶジャーナリズム賞」受賞作品。私は著者とも面識があり、本書もご送付頂きましたが、正直読んでいる途中放り投げたくなるほど、気分の悪い本でした。そう言いつつ1週間で読み終えたのは、著者の筆致というより目を背けたくなる書かれている事実内容。
副題は「三菱東京UFJ”汚れ役“の黒い回顧録」とありますが、これは合併前の三和銀行・関西本店を巡る・アングラ世界と銀行の話。”黒い噂“としてツラツラ聞いてはいましたが、ここまでリアルに書かれるとウンザリしました。しかし、内容がウザイと言っても事実に目を背ける訳には行きません。
というのは私の独立基盤となった前勤務先は“ピープルバンク”を標榜した三和銀行の直系とも言えるコンサルタント会社で本書に登場する何人かの当時の三和銀行の首脳陣の名前も顔も知っており、前の会社では上司としてお世話になった銀行出向社員や支店長に上り詰めた高卒エリートOBにも業務上様々お世話になった経緯があり、本書に書かれている内容は“息詰まる”とまでは言わずとも単なる他人事、読み物として読み過ごせない個所が多々あります。
たまたま平行して辛淑玉・野中広務対談「差別と日本人」を読んでいたので、や銀行エリートへの告発調ではなく、淡々と事実を記述レポートしている著者の筆致が逆に、この国の支配層、あり方、否、気付かない自分自身への曰く言い難い、課題、反省を突き付けられた感です。
先週、「新潮」「ポスト」「現代」等に健筆を振るっているフリーライターの伊藤さんと歌舞伎町で懇親した際、偶然著書の森さんの名前が出たら、大変親しい仲と知る偶然に驚きました。
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ところで、昨日のNHk「奄美密航の時代」は良くできたドキュメントでしたね。近くお会いすることを楽しみにしております。