センスプロデュース研究所!

ヒトの五感と脳の関係、ヒトの五感の重要性の提唱、研究を行っている者です。

日本人の味覚異変!

2009-03-17 21:49:03 | 感覚
最近皆さんは、コンビニ弁当などの味付けが濃くなっている事にお気づきだろうか? 10年前のカップヌードルと現在のカップヌードルも味が違う!
よく私は、外食を一人で何度かするが、味覚調査のためである。味付けの変化や、食べ方の変化など、メニューや出された食材なども吟味しながら観察し、味覚の調査をしている。
決してお店でメモをとることはないが、自宅に戻って調査結果などをパソコンに入力している。
特に私が最近気になっている味覚異変は、子供達や若者達の中に、焼きそばなどに大量のソース、マヨネーズを掛けて食べる習慣があることです。
そうでなくても、私には最近の焼きそばは濃い味で塩味も多めである。にもかかわらず子供達や若者達には最近の焼きそばの味が薄いのだろう!
大量のソース、マヨネーズをかけて食べる? カロリーオーバーでもあるし、それだけではない、味覚が発達しないのである。
味覚の発達には、薄い味も微妙な味の違いなど刺激も重要である。
また、最近の子供達や若者達には偏食や好む食事しか食べない傾向から、人が味として感じる細胞「味蕾」の発達が欠如している。
人の味蕾細胞は500個前後あり、数日から長いもので20日前後新陳代謝を繰り返し、味覚として感じるのである。これら味覚の発達のために重要な栄養素である亜鉛は一日に成人で15mgの摂取が必要です。
亜鉛が含まれている食材には「牡蠣貝」一個で13mg含まれているので、二個程度食べると一日分摂取できる。但し、亜鉛は体内の吸収率が低いのでビタミンCと一緒に摂取すると吸収率が高まります。他に、レバー、魚貝類なども含まれております。
また、亜鉛は爪、髪の毛、肌など美容の栄養素と言われ、女性には鉄分、亜鉛は欠かせない重要な微栄養素です。
これらの栄養素が特に不足しているので、味覚に異変が生じるのです。
以前にテレビ局で調査した結果、全国の小学生の半数が味覚障害の疑いがあります。
私が以前に武蔵野地区小学校を訪ね、子供達と一緒に給食を食べて驚いたことがある。それは、「ばっかり食べ現象」の子供達が実に多いのである。
ばっかり食べとは、最初ご飯だけ食べ、食べ終わったら次ぎおかずだけ食べるという食べ方である。
私達はご飯とおかずを一緒に食べて、酸っぱい物もご飯と一緒に食べて口の中で中和します。現在の子供達はこの口内調味(中和)が出来ないので、刺激の強い食材、薬味など食べられない子供達が急増しているのです。
これらが味覚的刺激不足から「味覚障害」などに繋がるのです。
味覚障害の怖いところは、味を感じる感覚の衰えだけでなく、鈍感化から毒性食材の認知能力が低下します。
特に子供達には脳の栄養素不足にもなり、出された料理を美味しいと感じられず脳が快感も出来ません。人は料理を食べることに喜びを感じそして、同時に生きていると実感し。脳が快感するのです。
つまり、現在の子供達の多くが料理を食べても美味しくなく、ただお腹一杯にするために食べるのです。生きるために食べる餌的な要素になっているのが怖いところなのです。
味わって食べる。家族団らんで夕飯を美味しく食べる光景も希薄になったのも要因の一つと私は考えております。
ですから、現在の子供達には、箸の正しい使い方、好き嫌いを無くし、ばっかり食べ方を改善、正しい食事方法とマナーも教えるべきです。
これらから、私は日本の小中学生に「食育」の重要性を提唱しているが、食べ方や食事の重要性だけでなく、健康面、メンタルからも正しく食べるという行為は重要なのです。
全国の小学校の授業に「食育」の授業を週に一時間でよいので特別授業という形でも結構です。導入して欲しいと思います。
食品会社、レストラン関係者、文部省も含め、産学官民一体となった取り組みが急務であると私は関係者に指摘し、推進している。
このままでは子供達の「味覚が危ない」のです。
私は各地で人の五感に関する講演会をしているが、ある小学校でショッキングな質問をされて驚いた実例をご紹介します。
小学3年の女児が台所に置き忘れた腐りかけのリンゴをそのまま食べて、台所で嘔吐していたという内容です。確かに味覚障害かも知れませんが、何よりこれは感覚異変なのです。感覚障害と言っても過言では有りません。
その小学女児は、腐ったリンゴを見たことも、触ったことも、勿論匂いも、味も経験有りません、つまり、脳で記憶していないのです。
私達の脳には危険な食べ物は、腐敗臭や触った感じ、柔らかいなどと本能的に察知できます。これらの危険回避能力が衰え、欠如するとこのような状態に成りかねないのです。
青カビや毒性が強ければ、食中毒、もしかしたら死にかけたかも知れないのです。人の五感は敏感に反応するのは、自己に迫る危険を回避するために敏感に反応するのです。
ですが。現代人、特に子供達や若者達の五感が危ないと指摘するのは、これら五感の鈍感化が加速的に進んでおり、味覚も視覚、聴覚など五感全般が若くして衰え、疎かにされているのです。
今一度、ご自分の五感、お子様の五感を見直し、鍛練しなければ益々加速的に衰え、鈍感になり危険回避能力、脳の能力も低下することになるのです。
ですから、脳の活性化のためにも日々の生活の中で五感を鍛練しましょう。
ゲームや携帯電話で30分会話する時間があったら、読書でも野外で公園でも結構です。五感を総動員して外的情報を受け止め、感じて下さい。そうすれば、人の脳には潜在的能力が働き、五感が自然に鍛練され、敏感に働くのです。
人の五感は脳に情報を送る入り口である。だからこの入り口を広げることが重要であるのです。




この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 五感を鍛えるオトコの美学! | トップ | 人の視覚(カラー心理) »
最新の画像もっと見る

感覚」カテゴリの最新記事