映画「おくりびと」

2010-05-14 00:00:15 | 映画・演劇・Video
録画装置入れ替えに付き。ビデオやDVDに焼かれた映画類を少しずつ消化していて、ついに終了。最後は、



「おくりびと」。

いわゆる納棺師の映画である。初任給月額50万円。ご遺体をきれいにきよめ、棺に納めるお仕事である。もともとは、家族の手で行われていたものの、最近は葬儀屋側の仕事に移った。とはいえ、葬儀屋側でも納棺の専門家を置くわけにもいかず、結構、「納棺」の部分だけに特化したスキマ産業になっているとのこと。

ご遺体は、それぞれの事情でそれぞれの状況を呈しているわけで、その理由の如何にかかわらず、ご遺族の心に安らぎを与えることを目指さなければならないわけだ。(とはいえ、映画では触れられてはいないが、このお仕事は葬儀屋の下請け仕事であり、霊柩車の運転手なら期待できるチップ収入も期待できない。)

映画は、取り上げている内容の重さに反し、シリアスであればあるほど喜劇の様相を呈する。まあ、人間の生って、そういうもので、個々の人生は、未来に対する必死の決意の連続であるのに反し、終わってしまった人生を他人が眺めれば、ただの喜劇ということなのだろう。苦悩の果ての喜劇に乾杯。

そして、本物のアカデミー賞の外国映画賞を受賞。主演の本木雅弘氏は、会場で、受賞のアナウンスを聞くや、レディファーストの原則を忘れ、助演の広末涼子さんを置き去りにし、さらに監督の滝田洋二郎氏をないがしろにし、喜び勇んで一人で壇上に向かい、その後、日本で顰蹙を買う。


舞台を海外に移し、全部、外国の話としてリメークすると、さらに名作になるような気がする。ウディ・アレン監督。が、絶対、3D化には向いていないだろう。ホラー映画になる。


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