山羊座のもとに(1949年 映画)

2024-08-07 00:00:10 | 映画・演劇・Video
山羊座のもとに(1949年 映画)
ヒッチコック映画で主演がイングリッド・バーグマン。舞台はオーストラリア。19世紀のシドニーが舞台になっている。

当時、オーストラリアはまだ英国の支配下にあった。ただ、その有望性を生かすために、本国から強制移民が送られていた。それは犯罪者。英国の刑務所に入るか、オーストラリアの労働者となるか。今や口に出されていないが、人出不足になると軽微な罪でも逮捕されオーストラリアに送られていたそうだ。自国民を奴隷にしていたわけだ。

ただ、送り込まれた人間の中には成功したものもいたが、一方で英国の貴族が経営者としてオーストラリアの支配階層になっていた。

しかし、例外的に英国貴族階級の娘(バーグマン)と犯罪者の男が結婚してシドニーの成功者になっていたが、なぜか娘は精神疾患のような症状を患っていた。犯罪者の男の罪(銃撃)は実は娘の身代わりだったからだ。

そこに英国から現れたのが、貴族階級ではあっても無一文の男。娘の幼馴染だった。そこから、お決まりの三角関係が生じ、さらに精神疾患にはメイド長の女性のたくらみが影響していた。

確か、ヒッチコック監督+バーグマン出演作に「白い恐怖(1945年)」というのがあって、これも「白色」を見ると精神が失調する女性の話だった。そのあたりよく似ている。

ただ、なぜかこの映画、スリラーを追求していくわけでもなく、三角関係は何事もなく解消されてしまうし、ごく平和な、三方一両損のような平凡な展開になるような気がする。

エンドロールの最後に、大波乱の絵があるのではないかと、待っていたが、何事もなく終わる。

想像だが、バーグマンはこの映画の撮影中からイタリア人監督との不倫を始めたらしく、同じ監督業のヒッチコックが気付いてしまい、すっかりやる気をなくしてしまったのかもしれない。

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