スローターハウス5(1972年 映画)

2017-12-06 00:00:58 | 映画・演劇・Video
カート・ヴォネガット・Jrの小説(1968年)を映画化。さまざまな評を読むと、わかりにくいという声が多いが、実際には小説の方が映像がなく文字なので、もっとわかりにくい。

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彼の小説はほとんど読んでいるので、特にわかりにくいとは思わないが、ドイツ軍の捕虜としてドレスデンで強制労働させられているときに、第二次大戦でもっとも大量の爆弾がこの旧都に無差別に降り注ぎ、10万人以上詳細不明という犠牲者を出している。

その爆撃の恐怖と、焼き尽くされた都市の廃墟や無数のご遺体の記憶が、彼の精神を破壊してしまうわけだ。

その破壊された脳に基づいてストーリーが展開されるため、時間の流れが乱れたり、別の惑星の上に行ったり、自分の未来を予測したり、そういうことになる。

実際、夢の中の世界と思えばそれなりに理解できるのではないかと思うわけだ。

ところで米英二か国によるドレスデン爆撃だが、1945年2月13、14日の二日間にわたって行われた。古都であり爆撃されないと市民が集まってきたため、被害が拡大し死者の全貌もつかめていない。この爆撃の後、3月10日に東京大空襲があった。米軍は京都を爆撃対象からはずしていたのだが、目的は原爆投下であったのだが、ドレスデン爆撃に対する世界的批判があったため、投下予定地を変えたともいわれる。


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