紅白にトドメを刺したDJ OZMA(川柳)

2007-01-05 00:00:29 | 市民A
「非可逆性」というコトバがある。元に戻らないことを示すことばである。大晦日のNHK紅白歌合戦の人気のことである。「もう辞めたほうがいいんじゃないか」という声を無視して昨年末も続行。「なぜ会社は変れないか」という本があったが、変革は難しい。ある意味でNHKの歌謡番組担当というのは、すべて紅白の準備のためにあるようなものなのだから変えにくいのも無理からぬところがある。日本が黒船到来まで開国しなかったのと同様だ。

そして、ついに来るべき「悪魔の使い」がやってきたわけだ。DJ OZMAの「パイ付きボディスーツ」。そして、NHK側の「知らなかった」という釈明。

私自身、事件発生時刻は、1年間お世話になった秘蔵の将棋駒(幻の彫師、香月作など)を磨いていたので翌日のニュースで知っただけなのだが、確かにネット上の動画で見ると本物風に見えないでもないが、ハイヴィジョンで見ればただの縫いぐるみのように見えるだろう。まあ、止まっていると贋物感が漂うが、動いているとリアルに見えないでもない。最後に股間に見えるのがパリの有名キャバレーのように金髪のカツラだったら、もっと壊滅的だっただろうが、そこまでの覚悟はなかったようだ。

ところで、この人体型ボディスーツで嫌なものを思い出すのが、トマス・ハリス作「羊たちの沈黙」。怖い本で、さらに怖い映画になった。ハンニバルシリーズ第二作。本から読むか、映画から見るか、という例のコピーだ。女性変身願望の男が、次々と女性を誘拐しては皮を剥いで死体を川に流す。要するに女性の皮で作ったボディスーツを作ろうとするわけだ。そして最後の犠牲者を井戸状の深い穴に落とし、皮を剥ぎやすいように飢死させることにする。・・・という話だ。ついでに、ハンニバルシリーズ最新作は米国では2006年12月に発売され、早くも2007年には映画化されるそうだ。題名は「ハンニバル・ライジング」。新潮社お抱え翻訳者が正月返上で働いているものと想像する。

話を戻すと、紅白を辞めたら何をすればいいか、ということだろうが、まだ1年もあるのだからよく考えてみればいいのではないだろうか。民放はいつもそれで悩んでいる。何も浮かばなければ拙ブログから「カール・ユーハイム物語」とか「赤い靴はいてた女の子物語」とかドラマにすればいいだろう。

さて、それではOZMAのバックダンサーのボディスーツなのだが、是非、1着は愛宕山のNHK放送博物館に寄贈されたらどうなのだろう。残りはyahoo!オークションにでも出してみればいいのではないだろうか。個人的にはボディスーツにはパイがついているが、それを上に着る女性の胸にも元々のオリジナル品が付いているわけで、一体、どういう構造になっているのか、多少興味はある。

最後に、またも話がぶっ飛んで申し訳ないが、前述のNHK放送博物館(戦争前後のNHKの本社)には歴史上有名なお宝が無造作に展示されている。それは昭和20年8月15日正午にラジオ放送された玉音放送の録音原盤である。8月14日の御前会議でポツダム宣言受諾が決定され、翌15日正午からの昭和天皇の肉声放送(玉音放送)のために、14日23時から翌日までかけて録音が行われた。その原盤である。ガラス容器で窒素封入されたままで、誰でも容器には触れられるようになっている。

この原盤を奪回し、天皇暗殺の上、皇太子を新天皇にしようといういわゆる「宮城事件」というクーデターがこの15日の早朝に起こり、原盤が反乱軍に奪われそうになるが運良く難を逃れている。想像するに、日本は米国との開戦の時も、不手際から宣戦布告が遅れてしまい、多大な非難を浴びたのだが、終戦の時も、海外に降伏を打電したのが14日の11時。それなのに玉音放送ができずに戦闘中止が行われなかったとしたなら、さらに「国際的ウソ付き」との汚名を重ねるところだったわけだ。今の日本がないかもしれないわけだ。


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