愛と誠(2012年版 映画)

2017-03-07 00:00:47 | 映画・演劇・Video
『愛と誠』は梶原一騎原作、ながやす巧作画の劇画をもとに、原作とほぼ同時進行で1974年に映画化されている。

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W主演は大場誠(西城英樹)、早乙女愛(早乙女愛)。愛と誠は一般名詞ではなく固有名詞だ。早乙女愛役は一般公募で初出演となり、役の名前が芸名になった。もちろん、出演作品によっていつも芸名が変わったりはしない。第一作のせいか美貌にもかかわらずアクション映画に多数出演することになる。渡米してからかなり経ち、2010年に訃報が届く。享年51歳。

そして、その直後に2012年に再度映画化。今回はミュージカル風でもある。音楽は昭和歌謡である。1974年の頃からアナクロ感が漂っていたが、2012年になると、昭和臭さが目立つようになる。今回は誠(妻夫木聡)、愛(武井咲)。本来原作に漂う「人間の宿命」とか「運命に逆らえない諦念観」などの真剣なテーマが、コミックに転じ過ぎてしまっているのではないかと懸念を覚えることもある。

ところで、全編を通じて血と暴力で塗り固められたような場面が続くが、不思議に殺される者が出てこないので、今夜は悪夢を見ないで済むな、と思っていたのに、一名が殺られた。人前で恥をかかされた執念深い体育会系教師による計画的殺人だ。浅野内匠頭の「殿ご乱心事件」と同様だ。


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