芯タン食し、心胆暖める

2017-04-28 00:00:26 | あじ
仙台といえば、「笹かまぼこ」と「萩の月」と並ぶ名物が、「牛タン」。もともと仙台が東北地方の牛肉の物流集散地であったことによるようで、そう長い歴史があるわけではない。

そして、牛タンの中でも「芯タン」というものが現れた。

芯というと清酒を造るときに精米率というのがあって、コメの周りを半分ぐらい削って酒を造り、削ったコメ粉はビーフンにするということを連想してしまう。牛さんの舌の周りをナイフかなんかで削って、舌の中心部を棒状にして、輪切りにするとか・・

実際には、そういうイメージを植え付けたうえで、舌の先の方半分を切り取って、奥の方の半分を使うということらしい。どちらかというと、「奥タン」という方が正しいかもしれない。たぶん、舌の先の方はよく動くために、筋肉が硬いのかもしれない。たぶん、舌の先の方はそのまま普通のタンと混ぜて販売するのだろう。あるいはタンシチューとして煮込むとか。なんとなく「クリームスキミング商法」のような気がする。

で、あるメーカーの商標のような『芯タン』を頂くことになった。既に切り分けられていて、焼くだけだ。塩で食べるか、醤油とわさびで食べるか。

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付け合わせに用意したのが、珍味の「マーメラスいんげん」。実は、日本に一人しか作っている人がいない。浜松市で豆名人といわれているR.F.さんだ。少し前は10人位が栽培していたようだが、豆名人以外はうまく作ることができず、撤退。いんげんより癖がなく、豆が大きい。「マーメラス」が「英語のマーベラス」と「豆」を組み合わせた合成語らしい。和製英語じゃないし、こういうコトバの作り方ってあまりないかもしれない。

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産地の話で言えば、芯タンは豪州からの輸入ということだそうだ。そして豆が浜松産。忘れてはいけないのがタンに付ける塩。昨年、大三島にある伯方塩業(株)でサンプルにいただいた「フルール・ド・セル」という結晶塩。大粒でカリッとしているのだが、これも豪州から天日塩として輸入し、これを瀬戸内海の海水と混ぜ直してから煮詰めるそうだ。

つまり、皿の上には二種類の豪州製品が存在するのだ。というか、タンにしても塩にしても原料を加工して付加価値を上げているわけだ。

豪州肉というと思い出すのが、何回か前のサッカーワールドカップの本戦での日本×豪州戦。日本の必勝を祈願するため、豪州牛肉のビーフカツを食べたのだが、肉を食べ終わった後、逆転された。


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