軟化はノーベル賞のせいか?

2010-09-30 00:00:45 | 市民A
尖閣問題を冷静に考えると、どうも中国側が勝ったとは思えないところもある。いい勝負だったのかもしれない。あるいは、中期的には中国の方が損をしているのかもしれない。

中国に有利な点は、「尖閣問題」を国際的にアピールしたことだが、別にアピールしたいなら他にも方法があったはずで、漁船体当たりの証拠ビデオを残す必要もなかったはず。

一方、中国にマイナスな点は、「カードを見せすぎたこと」。邦人逮捕やレアアースの禁輸、観光客の訪日延期、SMAP公演延期、実行しなかったが日本国債の買い入れによる円高誘導の検討とか。

外交的に言うと、「手の内の見せ過ぎ」ということになる。たとえば、レアアース問題だって、中国依存からの脱却を各企業は始めるだろうし、観光客だって、中国人以外をターゲットにするだろうし、もっといえば企業の中国シフトの方針だって少しずつ変わっていく。投資にかかわる中国のカントリーリスクの見方が変わるはずだ。


それで、突然に態度軟化したというよりも、もっと困った揺さぶりがあるのだろうと思う。


毎年10月の大騒ぎであるノーベル賞。

日中抗争の第二ラウンドになるかもしれない。

まず、各賞ごとの発表日。(現地時間なので、各1日を足すと日本時間)

 10月4日  生理学・医学賞
 10月5日  物理学賞
 10月6日  化学賞
 10月8日  平和賞
 10月11日  経済学賞
  未定   文学賞

このうち、大問題が平和賞。中国人が候補者になっているようだ。劉暁波氏。服役中の民主活動家である。何とか、自国民の授賞を阻止しようと必死の構図らしい。何しろ、ダライラマみたいに海外にいるのではなく、自国の刑務所にいるわけだから、『内政干渉』とか言い張るしかないが、言えば言うだけ孤立する。

一方、日本にも枠が回ってくるかどうかだが、事前予想では、生理学・医学賞にips細胞の山中仲弥氏、化学賞には北川進、藤田誠氏、経済学賞には清滝信宏氏などが挙がっているようだ。

山中教授は、業績からいえば、いつでもノーベル賞を授賞できるレベルにあるそうで、こういう人がパワーバランスの調整に使われるのだろうと、推測する。

またノーベル賞は一つの賞について最高3人までの授賞と決められているので、化学賞や物理学賞については、4人以上の共同研究の成果については、いつも泣く人と笑う人が出る。こうなると、確率みたいなもので、これも国家間のパワーバランスの調整弁ということだろうか。

つまり、先行して10月4~6日の間に日本人が授賞して、そのあと、11日に中国人が授賞するということになると、再び、超強硬論に突っ走る危険があるのではないだろうか。


もっとも、ノーベル賞の財源は、ダイナマイトという大量破壊システムの発明に起源するわけで、ノーベル賞が発端となって世界大戦争がはじまったとしても、それこそ賞にふさわしい結末と言えないわけでもない。


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