魚影の群れ(1983年 映画)

2017-12-12 00:00:32 | 映画・演劇・Video
『魚影の群れ』は1973年に吉村昭が書いた小説『海の鼠(映画公開と同時に「魚影の群れ」と改題)』を原作とし、小説の舞台となった青森県出身の相米慎二監督により1983年に映画公開された。

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今でこそ、誰もが知る日本最高品質のマグロの水揚げ港である青森県の大間漁港を舞台に濃密な関係の家族関係やマグロと人間の見分けがつかないほどのめりこんだ漁民の思いが描かれている。

主たる登場人物は、老漁師(緒形拳)、その娘(夏目雅子)、娘婿(佐藤浩市)の三人でその他の登場人物の数は少ない(十朱幸代、三遊亭円楽など)。

吉村昭の小説は余りにも大量であり、毎年数冊は読んでいるのだが、とうてい制覇できるとは思えないのだが、悲しい話を比較的、淡々と記載する傾向を感じているのだが、本作の映画の中では、悲しい話は淡々とではあるが、最終的に不吉な結末に向かっているような予感が漂っていて、観ていて徐々に心が重く沈んでいく。そしてその通りになる。

そして、書いておくべきが本映画に関係する人たちのその後の運命。多くの方は急ぐように鬼籍に入っていく。

 夏目雅子  1985年 27歳
 相米慎二  2001年 53歳
 吉村昭   2006年 79歳
 緒形拳   2008年 71歳
 三遊亭圓楽 2009年 76歳

なお、映画の中で一人だけ亡くなった佐藤浩市はその後、芸を重ね、不肖の父である三國連太郎の域に近づいているようだ。三國連太郎は「釣りバカ日誌シリーズ」の準主役であるが、父の真似をして息子がマグロ釣りの映画に出演したのかと思ったが、「釣りバカ」より前に「魚影の群れ」が公開されていた。三國連太郎(2013年 90歳)。


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