クロージングベルは?at TSE

2004-12-23 14:22:09 | MBAの意見
11645d96.jpgTSEって知っているだろうか?ほとんどの人は聞いたことのない単語だと思う。東京証券取引所の略だ。Tokyo Stock Exchange。しかし普通は東証(トーショー)と略す。ニューヨーク証券取引所はNYSEと言うのは良く知られているが、あまりTSEとは言わないようだ。
実は、東京証券所には「場立ち」と呼ばれる人間はいない。1999年から、各証券会社とのコンピューターが繋がっていて東証のホストで処理されている。そのかわり、マーケットセンターと呼ばれるガラス張りのブースがあって、そこで取引について異常がないかどうかチェックが行われている。

それらのガラス張りのセンターは実は公開されていて、「東証アロウズ」という施設になっている。だいぶ前から気になっている場所だったが、クロージングの場面が見たくて,先週のある日、ちょうど3時の少し前に、見学に行く。ニューヨーク証券取引所は、実際に大勢の「場立ち」が腕を振り回していて、16:30のクロージング時間には、プロレスのゴングのような音のベルが打ち鳴らされる。結構有名人が招待されて、どんなに株価が下がっていてもニコニコしながらコンコンコンコンと叩いている。先日は、取引所の天井からピアノ線で釣り下がったスパイダーマンが登場した(ピアノ線が光って丸見えだったので、釣り上げられて、もがいている蛸みたいであったが)。

東証アロウズは巨大な東証ビルの西口から入り、ちょっとした資料室と、マーケットセンターをガラス越し見ることができる。2階構造からなっている。手荷物検査の上、入館し、受付の女性に、「カメラで撮影してもいいか」と聞くと、「フラッシュ使わないなら撮影できます。」とのこと。で、2階へ行くと結構人が多く、団体ツアーがいて、説明員がついている。便乗して説明を聞いてしまう。大きな株価ボードに各銘柄と日経平均が表示され刻々と変わる。そしてガラス越しに、マーケットセンターをのぞくが、10人くらいが配置されているが、特段なにもしていない。まあ普段はなにもないのだろう。

撮影禁止マークはあちこちに表示されているが、許可を得ているので、ノーフラッシュで写してみる。しかし、よく見ると、団体客は株価ボードの前で、平気で記念撮影をピカピカ写している。説明のガイドの方も、カメラを構えて写してあげているではないか。これだから株の世界は怪しいかぎりだ。一応は撮影禁止だが、聞いてみるとノーフラッシュOK。しかし大口の客はなんでもありか。よくわかった。

どこから来た団体か聞いてみると、なんと横浜。バスで東京の勉強をする中年男女の旅行会だそうだ。私も横浜市民だが聞いたことなかった。現代は、なんでもありだ。東証の後は、お台場に行くそうだ。博物館か温泉だろう。

そして、問題の3時になったのだが、実は、TSEでは何もおきないのだ。三々五々、社員がファイルを手に席を立っていって終わり。しかし、終了1分前に昨日より80円高かった日経平均は60円高と20円下がり、3時になった瞬間には終値はさらに20円下がり40円高になった。証券会社の自己取引で当日残高を手仕舞いしたわけだ。0.1秒でキーボードを叩く証券マンが、不特定多数の個人投資家から少しずつ削り取ったわけだ。そしてそこには、いたって平和な世界があったのだ。


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