韓国大統領戦の行方(黒田勝弘氏講演会)

2007-10-30 00:00:22 | 市民A
先週10月25日に開かれた、黒田勝弘氏の講演会に行く。黒田氏は共同通信を経て、現在は産経新聞社ソウル支局長で韓国生活は27年にわたるそうである。日本人を嫌う韓国メディアに多数登場し、韓国の現状に対して辛口な批評を加えている。この日も、日頃、われわれが感じている韓国に対する疑念について講演していただいた。



まず、黒田氏は産経新聞社所属である。日本国内ではやや右寄りと言われでいる。もちろん左寄りというのは朝日と言われているが、早い話がそれは相対的な関係であって、全然違う国から見れば、日本のメディアを全部まとめて、右とか左とか言うことだってできるかもしれない。というのも、黒田氏および産経新聞は、以前、韓国からみて「親韓派」と思われていたそうだが、最近は「反韓派」と言われているそうである。黒田氏によれば、「われわれが左から右に動いたのではなく、彼らが右端から左端に動いたから」だそうだ。まあ、その通りだろう。例えば、外国人からみれば、朝日と産経の差を見分けることすら難しいかもしれない(記者の学歴の差?)。日本の新聞社がまったく変わらなかったわけではないだろうが、動いたのは韓国の政治性であるのは間違いないところ。

で、それはまさに、金大中を経て、ノ・ムヒョン政権になったからだそうで、この現在のノ・ムヒョン政権の基本的政策である「自主外交」については、今までの米・日依存型から米・日と中国の間に位置を置く政策を展開しようとした、ということらしい。それは、中国の台頭で、韓国自体が中国に飲み込まれることを恐れ、自分たちの存在をアピールすることが背景ということらしい。何しろ、今の中国の経済政策は以前の韓国流の模倣(外資導入・安い労働力・物まね)であるのだが、かといって日本には技術力ではかなわない。

北朝鮮支援についても、韓国が支援しなければ、北は中国に吸収されるだろうという懸念があるからで、対中防衛策の一つとして考えているというのが政府高官の意見だそうだ。さらに北の核武装を非難しない点は、いずれ、自分(韓国)のものになるだろうとの読みらしい。


一方、中国の方は、少数民族圧迫政策を着々と進めていて、北朝鮮に隣接する朝鮮族自治区の中の白頭山の中国化を着実に進め、名前も長白山に変えたり、100万人の朝鮮系住民の圧迫と懐柔を行っている(新疆ウイグル自治区・チベット自治区でも同様)。中ロ朝の三国の国境線が集まる豆満江のあたりには、20キロ先の日本海まで見える展望台が設置され、隙あれば、日本海に面した場所に権益を確保し、港湾を建設しようと狙っているように見えるそうだ。


そして、問題の任期5年の大統領選挙だが、12月19日が投票日。有力候補は、与党大統合民主新党のチョン・ドンヨン元統一相と野党ハンナラ党のイ・ミョンバク前ソウル市長。現段階での世論調査では、20%対60%でハンナラ党が有利と言われているのだが、前二回の選挙で金大中とノ・ムヒョンが勝ったのも、選挙戦前半の不利を相手側へのネガティブ・キャンペーンで最後に僅差の逆転ということなので、油断はできないそうだ。逆に、そういう「コロコロ気分が変わる国民性」というのが韓国が国際的に信頼されないところだそうだ。

それで、この二人のどちらがなった方が日本にとって都合がいいかというと、ハンナラ党のイ・ミョンバク候補の方だそうだ。経済通で反日・反米路線はやめるだろうと予測されるそうだ。一方、チョン・ドンヨン候補はソウル大学の国史科出身ということもあり、ノムちゃん路線の継続(反日路線)ということらしい。

ところで、韓国の歴代の大統領を見ると、もちろん暗殺されるか逮捕されるかというケースが多いのだが、金大中について言えば、「全羅南道」という百済の時代から千年も政権から遠ざけられていた「地域的な恨み」からの脱却。そしてノ・ムヒョンについて言えば、戦後虐げられていた「左翼の恨み」という二つの被差別型精神からの開放という価値はあっただろうと黒田氏は言われていた。


ところで、気になるのはハンナラ党政権になった場合、前大統領ノ・ムヒョンだって、いつ「スパイ容疑」で刑務所送りになるかもしれないわけだ。しかし、そうやって次々に元大統領を捕まえてしまうと、この国の評判も一向に改善されないわけだ。せめて、北側に亡命させてジョンちゃんの後任にしてやればいのだろうが・・


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