第三の男(1949年 映画)

2023-07-20 00:00:19 | 映画・演劇・Video
往年の名作を少しずつ観ている。主役は米国の三文作家。友人からの招待でウィーンへ向かう。まだ米英仏ソの四か国統治時代だ。ところが現地に到着した彼は前日に友人が交通事故で死んだことを伝えられる。

不審に思った彼は、作家らしく、事の真実を知るために嗅ぎまわり始める。そして公式的には事故現場にいた目撃者は二人といわれていたのだが、三人目がいたことを知る。そして警察に事情を説明するが相手にしてもらえない。

一方、友人の愛人(ダンサー)と接触して、彼女や友人の知人たちとの接点が生まれる。そして色々あって、現場にいた三人目の男を突き止め、警察と連携を始める。どうも友人は大犯罪者だったわけだ。

その友人を演じるのはオーソン・ウェルズ。まだ青年だが、そのままの顔で老人になったわけだ。

74年前の映画を後付けで評価するのはフェアではないだろう。三人目の男が実は死んだはずの男だったというロジックも、現代のミステリファンならすぐに見抜くだろうが、数多くの同種のプロットは、この映画を起源にしているのかもしれない。

オーソン・ウェルズの配役についても、後の彼の方向性から言うと犯罪者ではないかと疑らせてしまうのだが、しかたがない。


最後に極悪犯が射殺されるので、ハッピーエンドというのかと思ったが、そうではないようだ。