スーツケースに入らなかったからだろう

2023-07-26 00:00:11 | 市民A
すすきの首無し殺人事件が容疑者の逮捕という状態になった。逮捕容疑の一つが、死体遺棄となっているが、殺された場所(ホテルの客室)にあるのだから「遺棄」ということばが妥当なのだろうか。それと死体損壊と死体領得。死体領得とは死体(あるいはその一部)を持ち帰る行為だそうだ。戦国時代の武士のように敵兵の首を持ち帰って戦争後のご褒美を得るということはあったが、今回、どうなのだろうか。トマス・ハリスの小説のような場合に適用するのかな。

ちなみに、昭和11年の阿部定事件では殺人と死体損壊が適用になったが、犯行女性が男性器を持ち帰ったことについては最終的には問われていない。

当初、3人目の登場人物が医師の父親というのが、本物のミステリー風で、父親が最初からスーツケースの中に隠れて手際よく現場で執刀し、犯行後もスーツケースに隠れて脱出したのかと思ったが、なにしろスーツケースの中に人が入っていたら重くて動きが不自然だろう。ゴーン氏のように楽器箱を使えば可能だろうが。

ということで、あらかじめ父親が解体法を教えておいて、ご遺体をバラバラにしてスーツケースに入れて運び出すつもりだったのだろう。おそらく、スーツケースを用意した計画段階で、全身を運び出すためには首が邪魔という結論になって、最初に首を取り始めたのだろう。

しかし全部バラバラは時間的、体力的に無理ということで、途中で計画変更になったのではないだろうか。完璧にやるなら両親もあらかじめホテルにチェックインして三人がかりで事後処理すべきだったのだろう。小さなスーツケース3個でよかっただろうし。

動機については、まったくわからないが、一家総出で一人殺すほどの重大な案件があったことが予想されるわけだ。もしやるにしても街の真ん中の使用時間のある程度限られているホテルの部屋で実行するとは緊急性があったのかもしれない。

被害者の趣味が女装だけではなく、もっと根深いものだったという説もあるようだが、それにしてもまだ一向に理解できない、きっと、事実は小説より奇なりということだろう。