ニッカ余市醸造所

2023-07-16 00:00:07 | 美術館・博物館・工芸品
ニセコから小樽へ戻りレンタカーを返さないといけない。48時間借りていたのだが、そもそも予備時間は1時間弱。かなり計画通りに動かないといけない。そういうのは至って不得意だが、昨今、レンタカーの返却遅れは「犯罪に使用し、乗り捨て」と疑われてしまう。

帰り道に寄ったのがニッカウヰスキー余市醸造所。創業者の竹鶴政孝がスコットランドから帰国後、寿屋(現サントリー)で10年働き、山崎醸造所を稼働させた後、退社し、妻のリタとともに工場を構えたのが余市だった。



実は2016年にも、見学させていただいたのだが、7年経った今は、1か月前から70分間の見学コースの予約枠が一日中いっぱいになっていて、全行程をこれに合わせて組まないといけない。



そして、今回のハイライトだが、蒸留塔の部分だ。ウイスキーの製造工程は、最初はビールと同じようだ。麦芽ジュースを作って、発酵させる。その麦芽汁とアルコールの混合液のようなものを鍋(蒸留塔)に入れて加熱すると沸点の低いアルコール分が気化して分留される。そして温度が下がると液体に戻る。それを何回か繰り返して純度を上げていくわけだ。



余市工場では、鍋を加熱する熱源として、今でも石炭を使っている。2016年の見学の時は、蒸留塔の前で説明があっただけだが、今回は石炭投入の作業が公開されていた。石炭をスコップにとって炉の中に放り込む。そばで見ていても熱気が炉から噴き出している。



2016年の時にはなかったような気がする積み込み場があった。醸造の最初の段階で大量に余ってしまう絞り滓だが、畜産用の飼料としてトラックへ積み込んでいるそうだ。そういえば神戸ビーフの高級品は牛にビールを飲ませるというが、それと同じだ。人間用でも健康食品としてビール酵母が有効とされるが、たぶん同じだろう。