小布施散策

2023-05-17 00:00:17 | たび
バスツアーは、北向観音→善光寺と進み、次は小布施の町に入る。街道筋の宿場町から発展した小粋な市街地だ。観光資源と言えば、栗菓子、酒造、そして北斎。

それらをまとめて、1時間で堪能してほしいというのが、ツアー側のスケジュール。そもそもアルペンルートのおまけの場所なので意のままにならないのはしかたない。

最初に酒造所に行ってみたが、事前情報で試飲できるというのが事情変更で、日本酒BARで座って飲まないといけないということで、小布施のすべてがBARで終わってしまいそうで、すぐに退出。



『栗の小径』
小径というのは、狭くて少し長い道をイメージするが、『栗の小径』は事実上の小径で、長くもない。建築基準法で建物間の距離をとった関係でできたすき間のような場所だ。歩いていくと、和菓子店に到着する。



小布施では小布施堂と竹風堂が覇を競っているようにみえる。『栗の小径』・『北斎館』の近くは『小布施堂』が優勢で、国道(旧街道)沿いは『竹風堂』優勢に見える(真実は知らない)。流れから小布施堂のモンブラン購入(数時間後に缶ビールのつまみになる)。



『北斎館』
北斎館は人生97回の引越しをしたという葛飾北斎が95回目か96回目に居住した小布施を記念して建てられた。人生のほとんどは現在の墨田区で居住していた彼がなぜ2年間だけ信州に行ったのかは本人のみぞ知る、だろうが、実際に小布施でいくつかの天井画を描いている。地元の豪商の家に呼ばれたのは事実だが、当時江戸でも仕事はいくらでもあったはずだから、「天井画」にチャレンジしたかったということかもしれない。



現在は、天井から離れて壁画のように飾られている。

北斎を招聘した豪商はいわゆる「旦那」ということで商才なく資本が疲弊していき、維新後没落する。言い換えれば「世界の北斎」の栄養源になったということ。偉大と言った方がいいだろう。小布施と芸術家の関係と言えば、竹風堂は世界の池田満寿夫氏の早逝後、残された作品群が散逸しないように松代店に併設して「池田満寿夫美術館」を設置していたが、2017年に閉鎖している。



観光バスへの集合時間に5分あったので、露店で地元産ドライフルーツを購入。アンズとリンゴ。リンゴの方ばかり食べたので撮影時にはアンズばかりになってしまった。

集合時間に遅刻し、息を切らして赤い顔でバスに到着した数人組は最初の酒造店で分かれたはずで、小布施のすべてがBARということだったのだろうか。