将棋用語「頓死」の意味

2022-03-05 00:00:21 | しょうぎ
将棋ではよく気が付かないうちに、一気に詰められることをトン死と言ったりする。年配棋士だと「トンコロ」といったりするが報道されないので、いずれ消滅単語になるだろう。

漢字で書くと「豚死」ではなく「頓死」となり、一般用語である。三省堂の明解国語辞典第六版に拠れば「ひょんなことが原因で、あっけなく死ぬこと。(将棋で、王が詰められる意にも用いられる。)」となっている。国語辞典によれば「ひょんなこと」とは、予想もできない小さなことということである。

一方、東京堂書店の「日本将棋用語辞典」では、「頓死」は、「取る」の後で、「長い詰みより短い必死」の前にある。頓死:詰まない玉が逃げ方を間違え詰んでしまったこと。となっていて、「大山・升田の高野山の決戦での頓死」が紹介されている。

つまり、いずれにしても何らかの原因があって詰まされてしまった場合が該当するわけだ。

将棋用語辞典では、「逃げ間違い」の場合に限定しているが、現実的には「詰みに気が付かずに詰まされる」ことが多いのではないだろうか。同じようでも「詰みには気が付いていても受からないのは確実なので、相手の王に詰めろをかけた」場合は、頓死とはいわないだろうから客観的には見分けは付きにくい。いくら読んでも読み切れないまま、詰まされる場合も頓死とはいわない。単に「弱い」ということだろうか。プロ棋界でもここ数年、多い。


さて、2月26日出題作の解答。








今週の問題。



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