ドコモのNTT完全子会社化の件

2020-09-30 00:00:58 | 企業抗争
NTTがドコモを完全子会社かするようだ。TOBの必要資金は最大4.3兆円。外部調達するらしいが、なかなか理解できない。

とはいえ、個人的にNTTに資金をつぎこむ気もないし、ドコモ使う予定もないので、真剣に資料を分析する気力もないので、概論的な話になるのだが、

なぜ、合併ではなく外部資金調達で完全子会社にするのだろう。4兆円を外部から調達すれば、例えばコストが1%としても400億円のコストアップになる。

仮定1:NTTの方が給料が高く、合併して年収を合わせると社としてコストアップする。
仮定2:当初は合併を検討したものの、企業価値の差が甚だしく大きく対等合併できない可能性。NTTの価値の中にはドコモの利益(キャッシュ)分が含まれていて、それを引くと親会社が吸収されたように見えるため、見栄を張った。NTTの生み出す価値はほとんどがドコモの価値に近いのではないだろうか。

携帯電話料金の話と関連があるようでないような感じだが、そう簡単な話ではないと思う。

よく、消費が伸びないのは、通信料が家計を圧迫しているからと言われるが、そもそも、通信料金が安い携帯会社が爆発的にシェアを得られないのは、逆説的には、通信料を減らしてまで買いたいものがない、ということではないだろうか。通信料減らして月に1万円を浮かしても、家やクルマが買えるわけでもない。使えるお金が年12万円増えても、決定的に豊かな気持ちにはなれない。第一、デフレから脱却できない。給料を月1万円、増やすべきなのだ。

あるいは、もっと高額で能力の高いプランが登場し、一方でもっと低額でスペックを落とした安いプランも登場し、携帯格差というようなことになるかもしれない。上級国民と下層国民。

切り口を変えてAUとソフトバンクの戦略だが、NTTグループと言うハイコスト企業がいるため、ドコモ(裏にNTT)が企業として成り立つレベルの料金プランに追随するだけで自動的に儲かることになっていたのだろう。NTT&ドコモの意志決定は多数の取締役の合議によるのだろうか、ソフトバンクはワンマンだ。たとえば、今後、料金値下げでドコモが損益分岐点ギリギリの価格になっても他社は追随すればまだ余裕がある。こういう状態は経済学の教科書にはないが、日本ではよくある現実だ。プライスリーダーではなく、ボーダーラインプライスリーダー。


NTTの人事から退社した人物を知っていて、すっかり前になるが、彼が新職場に移った頃の話だが、「社員が多すぎる」ということを言っていた。最近になって解決したと思うが、「電線の管理をする人たち(俗にいう電線マン)」と各局ごとに大勢いた「電話交換手(ほとんど女性)」が経営の重しになっていたそうだ。

さらに社員数が多すぎるため、個別の勤務査定などが困難なため、新入社員が入社しても、ずっと何年も「入社試験の時の点数」と「出身大学」で同期の順番を付けていたそうだ。