偽書鑑定

2018-04-21 00:00:13 | しょうぎ
藤井聡太六段(現在)のニセ色紙が、ネット上のフリーマーケットに現れ、26歳の会社員が5670円をだまし取られる事件が発生。

通報を受けた愛知県警が藤井六段に確認したところ、「筆跡が違う」「持駒の香車の数が違う」などと回答があり、容疑者の女性を突き止めたそうだ。

実在の本物の色紙がネット上にアップされたのを見て、模造したらしい。容疑者は加藤一二三九段のサインも偽造したことがあるらしいが、彼の文字は独特で、「ウマヘタ」というよりも「ヘタそのもの」であるので、偽造には苦労するだろう。

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ところで、本物と偽物を比較すると、「筆跡」と「香の枚数」以外にも特徴がある。

1.決定的に、名前が間違っている。聡太であるものが飛太になっている。「トビタ」とでも読むのだろうか。そういう地名のところで働いていたのかもしれない。

2.「飛」を書くべき場所を間違えていて、×を上書きして書き直している。他人に贈る色紙としては、あり得ないだろう。

3.マスが大きく左に傾いている。もしかしたらアップされた写真画像が左に傾いていたのかもしれない。

4.一方、文字は筆跡が違うにしろ、真似ているような形跡は感じられる。盤上の二つの「銀」の字が異なるのだが、二つ目の「銀」を書くときには根気がなくなっていたのかもしれない。

5.努力の跡がみられるのは、日付と段位の関係で、偽書は本物の1年前に書かれたことになっていて当時の段位の「四段」に正確に修正されている。

ところで、この詰将棋は、異常に難しい。にもかかわらず、色紙用に作ったのか、色紙にピタリとはまるようになっている。こういう問題を次々と詰将棋専門誌に投稿されると、全作が彼の作品になってしまうのではないかと危惧をしてしまう。創作と解答の二刀流だ。


さて、4月7日出題作の解答。




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二手目に△3ニ玉には▲4二飛打△2三玉▲2一飛成以下。▲1二金が手筋だ。

動く将棋盤はこちら


今週の問題。

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少しだけ、奇妙な感じを漂わせてみた。頭を柔らかく使う問題。

わかったと思われた方はコメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。