日本なら、乗らないだろう

2015-06-04 00:00:06 | 市民A
湖北省荊州市監利県(日本流に言うと、湖北県荊州市監利区)で起きた客船転覆事故だが、国交省の方の見解として、「日本では(こういう船は作らないから)起きないだろう」ということになっているが、もっというと、「日本人なら、見ただけで乗らないだろう」という感じがする。

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船の写真が公開されているが、海洋国家である日本人なら、仮に船に乗ったことがなくても、こんな倒れそうな船を見たとたんに旅をキャンセルするに違いない。船というものの一般的概念を日本人は持っているが中国ではそれがないのだろう。現場近くは確かに水深15メートルだが、川を上って重慶に向かえば、徐々に浅くなっていくのだから、この船の喫水は相当浅いと想像できる。

そして、本船は4階建てである。こういうアンバランスの船を観たことがあると思って記憶をたどると、千葉県の端にある娯楽施設内に蒸気船マークトウェイン号というのがあることに行き着いた。乗客を箱詰めにして、ミシシッピーいや長江のクルーズ。本当は、長江の下流、中流、上流に合わせて、適した設計の船に乗り換えていくべきなのだろう。

だいぶ以前だが、長江の河口ともいえる上海黄埔港から遊覧船に乗って広いところに行ったことがあったが、対岸は見えないし、潜水艦まで河の中にいた。

本船の画像をみると4階建てで片側に窓が1階あたり20ほど見える。レストランやダンスホールの場所が必要なので、片側で2~4階で60窓、左右で120窓ということは部屋の数だろう。乗客数からいうと一部屋4人だったのだろうか。定員2名のところにベッドを追加していたのだろうか。

なお、日本では基本的には船は海を走るもので、川下りとかは、超小型なボートの世界になっていて、時々は事故が起きるものの、時々事故が起きることを理解して危険行為を楽しむというルールになっている。

中国でも海を走る船は、国際基準に従って建造、改造されるのでこんなに危険なことはないが、それでも検査機関が二流、三流だとK国の修学旅行全滅みたいになってしまうわけだ。日本の検査機関は世界最高レベルの厳しさであるため、例の国交省の安全宣言のようになるわけだ。