ブラック・スライド・マントラ

2014-07-14 00:00:47 | 市民A
先週、台風に追いかけられるように北海道に行っていた。岡山空港で千歳行き欠航のため、神戸空港から。そして帰りは慌ただしく台風の上をジャンプして羽田に。札幌は20度以下だったけど、東京は30度を超していた。

もともと、まったく予定していなかったので、何も調べていなかったのだが、札幌ジャズフェスティバルが始まった直後ということで、ホテル料金が3倍。まあ、夏の間で一年分稼ぐしかないのだからしょうがない。といっても、あまりに高いと人が来ないと思うがどうなのだろう。

札幌は何回も行っているので、有名なところは知っているのだが、今回は、いままで行きそびれていたところの穴埋めということに割り切る。早めに空港に行かないといけないし。


まず、イサム・ノグチ関連。イサム・ノグチについては弊ブログで何度も繰り返し記述しているのだが、米国で活躍した日本人詩人野口米次郎と米国女性との間に生まれ、青年になるまでの間を日米両国で過ごすという奇妙な人生の末、世界的な造形アーティストとなったのだが、事実上の彼の遺作となるモエレ沼公園が札幌郊外にある。設計は1988年。同年没。完成したのは2005年。ちょうどその頃からイサムの人生を追いかけはじめていた。

このモエレ沼公園と、香川にあるイサム・ノグチ庭園美術館は、はずせないのだが、既に庭園美術館には行っているが、これもなかなか敷居が高い。

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で、残念ながら、モエレ沼は未踏の地だったのだが、今回も行けなかった。そのかわりというか、大通り公演にある『ブラック・スライド・マントラ』を探しにいく。8丁目の方なので、結構歩く。

そして、おなじみのイサム・ノグチの造形があらわれる。構造上は、この滑り台と、モエレ沼が時空間でつながっているのだろう。裏側に回ると、階段が見えるが、ここから入ってどこにワープするのか心配であるし、ズボンが汚れそうな気もするので覗くだけにする。

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実世界のちょっとした隙間から違う世界に行って、なかなか帰ってこれなくなるというのは村上春樹の小説世界のようだが、実は香川の庭園美術館の方は、『海辺のカフカ』の中で重要な場所となる「図書館」のモデルと言われているし、最近、何度目かの結婚式を行った宇多田ヒカルも美術館の方には行ったようだ(何しろ、事前にハガキで申し込む必要があるので証拠が残る)。たぶん、モエレ沼にもご両人は行ったのだろうと推測。


で、次回の北海道一人ツアーの時には、計画的にモエレ沼で半日過ごそうと思っているわけだ。モエレ沼への行き方については、案外難しくないことがわかるのだが、今回だって事前に調べておけば、ビール園で飲み過ぎて、9時半まで寝ていたりはしなかったはずなのだ。