直観7割?

2013-12-21 00:00:09 | しょうぎ
12月2日夜にNHKで放送された、『プロフェッショナル・仕事の流儀・勝負の極意SP』に羽生三冠が登場。

羽生三冠以外には、呼吸器外科医のゴッドハンドが手術にあたって行うしきたり、フレンチレストランのサービスマンのお客さばき、サッカー元日本代表監督岡田武史氏の勝負術というラインアップ。

思うに、「外科医×患者」「サービスマン×お客」というのは、プロ対アマという組み合わせで、どちらかというと、「自分との戦い」ということが主眼になるが、「サッカー監督」と「棋士」というのは、対等な相手との戦いなので、「戦略」とか「戦術」といった部分が重要になるのだろう。

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さらに「棋士」は自分で戦うのだが、「監督」は選手を使って戦うわけで、それなりに違いがある。「棋士」は戦いでは客観的になりにくいという問題があるが、「監督」は自分でプレーできないわけで、間接的に選手を使わなければならない。

で、実際には岡田元監督と羽生三冠は、かなり異なることを言っているのだが、監督は「神は細部に宿る」という主義で、サッカーの得点は、つきつめれば「ほんの小さいできごと」から点を取り合うことが圧倒的に多い、と考えているそうだ。だから、その小さいできごとを研究して練習し、実戦での攻守に備えるとのこと。何かヒッチコック映画のようだ。

羽生三冠は、プロになって以来、四十代になっても、ずっと高勝率を続けている。3勝1敗弱のペースである。多くの若手棋士は彼の勝率下落を祈っているのだが、当面、その気配はない。

その秘密について、「年代によって戦略を変えた」という一言で片づけていた。「手を読むのではなく大局観を読む」とか「読みをなるべく省略する」とかだ。

さらに、「直観は、結果として7割は正しい」とのこと。

この7割という数字は、「意外?」と感じた部分。なんとなく、もっと正しい確率は高いのではないかと感じていたのだが。それで、その「意外感」について、考えていたのだが、「直観で指した手」が正しいか誤りかは、勝負の結果において判断しているのだろうと考えるわけだ。


さて、12月7日出題作の解答。

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2手目に△2三玉は、▲2二飛 △1四玉 ▲2三角 △1五玉 ▲1六歩 △2六玉 ▲3四角成 △3七玉と超速国境突破を図っても、▲3六飛という陰険な手で捕捉され、以下△同玉 ▲4五馬 △3七玉 ▲2七馬まで、国家反逆罪で逮捕される。

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今週の問題は、いたって教科書的。

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わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と手数を記していただければ、正誤判断。