TPP交渉への早期参加を求める国民会議

2011-10-31 00:00:21 | 市民A
会議と言っても、発言の機会はないのだが10月26日に開催された、賛成派のシンポジウムに出席。テレビや新聞の記者から写真をバシバシ写される。出席者のプライバシーなんか、まったく無視だ。

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伊藤元重教授を中心とした賛成派だが、要するに「このままでは沈没する船に、つごうよく救助ボートがきた」、という状況なのだろう。ボートの底に穴があいているかどうかは不明でも乗るしかないじゃない、ということ。

それで、実際は、日本の国民の過半数はTPP参加支持派なのだろうが、自由化の恩恵は、国民全体に広く薄く行き渡るのに対し、利益を失う既存利権者は少数であるがゆえに、体を張った反対運動をするため、なんとなく賛否両論があるように感じるのだが、それはマスコミが作り上げた人為的な誤解なのだ。

で、奇妙なことに、この会場には、そもそもTPPに反対する人はいないわけだ。同日、別の会場で、反対派の大会が開かれているからだ。

そして、この会合のあと、数日考えていたのだが、結局、TPPの問題と言うのは、農業問題(特にコメ問題)に帰結するのだろうと思えるのだ。

それで、参加派の会合に出席している農民の主張は、だいたいこういうものだ。

「TPPがあろうがなかろうが、生産性の低い農業を続けたため、後継者がいなくなっている。農業全体の平均年齢は65歳だが、コメに限れば70歳位である。新規従業者もいないため、いずれ5年ほどで日本の農業は立ち行かなくなる。だから、農業の大規模化をめざした大制度改革が必要なのだから、TPPと同時に農業改革を行うべき。実際コメの関税率は700%以上。毎年100%ずつ関税を引き下げても、海外のコメが競争力を持つためには5年以上かかる。その時間で改革しなければ、農業は破たんする」

一方、反対派の意見は、
「TPPにより日本全体のGDPが増えたとしても、農民に対する補償金の額は、輸入量が増えるほど増加するのだから、政府支出が増大して、財政が回らなくなるのではないだろうか。」

つまり、一つは、農業には「大規模化のための制度改革」が必要なのか、「補助金」が必要なのか、ということだろう。

また言い換えれば、「農業」が重要なのか「農民」が重要か、ということなのかもしれない。

規制業種というのは、だいたいこういう構造になりがちで、「役所」が必要なのか「役人」が必要なのかという二択とか、「新聞」が必要なのか「新聞記者」が必要なのかといった二択もそうだろう。

TPP解散にでも打って出ればいいのに、という気もする。もちろん、定数是正も必要だ。