踊り場のこと

2011-10-05 00:00:00 | 市民A
「踊り場」という日本語の由来を最近知ることになった。

「踊り場」というのは、もともと中折れの階段の途中にあって、そこで向きが変わって登ったり降りたりする場所である(誰でも知っている)。

ところが、実際に相場などで使われる「踊り場」は、階段の途中というわけでもなく、景気の踊り場といっても上昇局面が一服して、次の上昇局面までのタイムラグというわけでもない。踊り場からまた下ったりするわけだ。だから、なんとなく階段の先に広場があって、そこで日と踊りした後、再び登ったり今度は下ったりするというようなのがコトバの実態だ。

もっとも相場の踊り場状況の先が、上向きか下向きかがわかっていれば、大儲けできるのだが、踊り場の先を読むことは難しい。

実は、「踊り場」とは、鹿鳴館から発生したコトバだそうだ。

元々、日本の在来建築では、階段は、ストレート仕様だったそうだ。そして「折り曲がり階段」が登場したのが、鹿鳴館だったそうだ。

そして、鹿鳴館で行われていたのがダンスであって、ロングスカートの女性が階段を上っていって途中で向きを変える時に、スカートの裾がヒラーリとした状況が、ダンスをしているようなイメージであったことから、「踊り場」ということになったそうだ。何か小雪さんが二階の寝室にいる知人男性の部屋に向かおうとしていて、途中の踊り場で、「やっぱり、やめた」と踵を返す図が思い起こされる。


踊り場というのは始末の悪いもので、「瀬戸際の人」というのは、それなりに何かをやらないとダメであるというのは言うまでもないが、「踊り場の人」というのは、行動が難しいわけだ。