タクシー狂想曲

2011-10-26 00:00:31 | 市民A
電鉄会社にとって大敵は、飛び込みなのだろうが、これが人間だけでなく、クルマが上から飛びこむとなると、ただごとじゃなくなる。11月24日に、品川区で起きたタクシーの飛び込みは、落下した線路上で電車と衝突したようだが、快速電車が高速走行中に車両の上から落下したとすると、被害が甚大になった可能性もある。

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転落したタクシーの運転手死亡 JR横須賀線接触事故 ブレーキ痕なし

産経新聞 10月25日(火)8時49分配信

東京都品川区西大井の道路から線路上に転落したタクシーとJR横須賀線の車両が接触した事故で、警視庁大井署は25日、転落した個人タクシーを運転していたタクシー運転手、Kさん(74)が同日未明、死亡したと発表した。

同署によると、Kさんは肋骨などを折っており、内臓が傷ついた可能性があるという。タクシー乗客の男性(56)は左腕の骨を折るなど重傷だが、命に別条はない。

現場の路上にブレーキ痕はなく、同署はKさんが運転を誤ったとみて詳しい事故原因を調べている。

事故は24日夜に発生。線路上方の区道を走っていたタクシーがカーブを曲がりきれずフェンスをなぎ倒し、約7・5メートル下の線路に転落。千葉発横須賀行き普通電車(15両編成)と接触したが、電車の乗客約1500人にけがはなかった。


このタクシーは、よく見ると、タクシー会社所属ではなく、個人タクシー。本来は、ノルマに追われた会社タクシーよりも個人タクシーの方が、安心と言われている。会社タクシーだと、手取りは売り上げの半分だし、安全基準なども甘い。横浜のタクシー会社の中には、雪が降った時に、全タイヤを履き替えるのではなく、後輪だけを替えるところもある。(個人タクシーは、雪の日は休んでしまうが)

ただし、問題は、個人タクシーの高齢化。事故を起こしたKさんは74歳。あと1年以内に「もみじマーク」という寸前だった。まさか「もみじマーク」で個人タクシーを続けるわけにはいかなかっただろうから、引退の時期は間近に迫っていたということになる。

タクシーに乗るには、タクシー乗り場に列を作ってというのが、基本的ルールなのだが、そういう方式に従うと、否が応でも来たクルマに乗らなければならない。そのため、最近では、流しのタクシーを運転手の年齢を見ながら止めるようにしている。


ところが、時と場合によって、タクシーの需給状況が変化するのが常である。先日、ちょっとした距離を高速で走る際、64歳の男性ドライバーに当たった。

あいにく、おしゃべり男だった。

話を聞いていると、4年前に40歳年下の女性と結婚したそうだ。60対20。ワールドカップラグビーのスコアみたいだ。お相手はフィリピンとのこと。それも日本のパブで知り合ったということではなく、そういうパブの娘と結婚したドライバー仲間に紹介してもらった、純粋のマニラッ娘ということだそうだ。

そういう場合の法的手続きについて、あれこれと説明してくれたが、全然覚えていない。ただ、「偽装結婚」ではないかという疑いをもたれて、申請してから半年かかったそうだ。

そして、現地の大家族のために、日本から多額の出資をしてマニラ市内にアパートを建てたそうだ。

私には、単に彼が騙されているようにしか思えないのだが、3年前に子どもが生まれて、日本ではなくマニラで育てているそうだ。で、奥さんはといえば、マニラではなく、日本のフィリピンパブで働いているそうだ。

そして、彼はおもむろにポケットから iPhone を取り出し、何らかの操作を行って、後ろの座席の私の方を向いて、女の子の画像を見せてくれるのである。

本当は、全然似てないのだが、「運転手さんに目元がそっくりですね」と言ってあげる。

なにしろ、時速100キロ超で走行中なのだ。