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ピストンエンジンは永遠か!な?

バイクを中心に話題を紹介します

鋳鉄シリンダーボア測定②

2007年09月11日 | シリンダー、シリンダーヘッド

人気blogランキングへ  1日中雨かな?

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フランジ固定のシリンダーにトルクプレートを取り付ける場合には、必ずエンジン組み立て時と同一のガスケットを使います。画像はベースガスケットですが、もちろんヘッドガスケットも付けて下さい。

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測定する場所はトルクプレート取り付け前と同じです。

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赤のアンダーラインが今回の測定結果です。

知っていれば当然の結果ですが、初めてみると愕然としますか?

ショベルヘッドエンジンでは一般的に5~7/100mmのピストンクリアランスを設定してボーリングなどをすると思いますが、最大で5/100mmの違いは大きすぎます。

くどいようですが、今回のシリンダーは社外品ですから、純正シリンダーでは結果が異なる可能性があります。

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この画像は外したベースガスケット(ペーパー)の厚みを測ってみました。測定場所はシリンダー固定スタッド穴のすぐ隣です。

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こちらはスタッド穴の間中央部です。5/100mmも異なります。

つまりシリンダーボアの変形はフランジ部の変形が大きく影響していると・・・・。

次回はベースガスケットを変更して測定してみます。

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鋳鉄シリンダーボア測定

2007年09月10日 | シリンダー、シリンダーヘッド

人気blogランキングへ  しばらく雨が続きそう。

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予告しておりましたが、長らくお待たせいたしました。

矢印のトルクプレートはメーカー指定のSSTで、ショベルヘッドとエボエンジンの両方に使えます。

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シリンダーは画像のパッケージの新品を使います。純正シリンダーでは違う結果になることもありますのでご了承ください。

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条件の違いになる一つとしてベースナットが純正品が使えないことで、フランジの奥行きが浅いので座面が小さいスペシャルなナットになります。

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測定は①から④までの4ヵ所で行いました。

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これはトルクプレートを取り付ける前の測定結果です。単位は1/1000mmです。

続きます。

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シリンダーボア測定③

2007年09月05日 | シリンダー、シリンダーヘッド

人気blogランキングへ 台風の上陸が心配。

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続いて測定したのは、スタッドボルトの位置(対角線に近いがそうではない)近辺と、そこから少し外れた場所です。

シリンダーの画像の線の色と、測定結果の数字の囲み色は合わせてあります。

1/1000mm単位で見るとデコボコしています。

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実はシリンダーの内壁をよく観察すると、精密に測定しなくても事実を想像することもできます。

赤矢印はスタッドボルトの位置で、これに沿った変形が黄色矢印の”帯状の当り面”、青矢印は吹き抜けが多いと見られる場所、緑矢印が正常に近い当り面。

もっとも、これはメーカーも承知しているようで”エンジンの累積稼働時間が長くなると現われる、スタッド穴の近くの上下方向全体に渡って、その幅が9.525mm(0.375インチ)4ヵ所にかすかな光沢が見られる”ような内容がマニュアルに記載されています。つまり黄色矢印の帯のことですね。

計測結果がシリンダー内壁の画像とずれているのは、スタッド位置が対角線上ではないことと、計測は冷間でありエンジン運転時とはまた違う状況が考えられます。

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これはTC88エンジンのシリンダーですが、同様の帯状の跡が見られます。

ここで気を付けなければならないのは、エボではシリンダーベースにペーパーガスケットを使っていることで、経年劣化によるオイル洩れが多々生じます。この場合ガスケットを交換すればオイル洩れは直すことができますけれど、分解するまえにエンジンの調子がさほど悪くなくても、ピストンリングの位置がずれて当たりが変わり圧縮洩れが生じて、エンジンの調子が非常に悪くなることがあります。

シリンダーの判定には難しさがありますが、燃焼ガス洩れの痕跡があればボーリングしてのオーバーサイズピストンへ変更や、新しいシリンダーセットへ交換するなどを検討したほうが2度手間を避けられと思います。

だいぶ前のことですが新車(スポーツスター1200S)から調子が悪く、1000kmほどの走行で分解してみたら今回の題材のシリンダーと同じ状態であったことがありましたし、上記印以降のことは実際経験したことです。

シリンダーを挟み込む構造では、こうしたことはある意味当たり前のことで、シリンダーではありませんが”湾岸ミッドナイト”のなかで”ロータリーエンジンは締めすぎてもダメで、かといって締め足り無くてもダメ。ハウジングが変形しない締め頃があるのだ”という意味合いのセリフが印象深いですね。

もっともベースガスケット交換時に全てボーリングしなくてはいけないかと言うと、そんなことはないわけで、その理由の一つとして、変形の大きいシリンダーはオーバーヒートの頻度が多いのではないかと推測できます。鉄のスタッドボルトはアルミのシリンダーよりも熱膨張は小さく、尚且つ燃焼による熱の伝達も少ないですから、オーバーヒートするとヘッドボルトを過剰に締めたことと同じではないでしょうか?

この項の続きは、鋳鉄製で貫通スタッドではないフランジ式固定方法のショベルヘッドエンジンのシリンダーを測定してみようと思います。

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シリンダーボア測定②

2007年09月03日 | シリンダー、シリンダーヘッド

人気blogランキングへ 晴れずに昨日より気温が高く蒸し暑い。

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ボアゲージのシリンダー挿入部はコンナ構造になっていて、円筒の中心で測定できるようになっています。

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トルクプレートを取り付けました。

エンジン組み立て時と同じトルクで締めます。

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測定結果です。上中Fとなってしまいましたが上中下と置き換えてお読み下さい。赤アンダーラインがトルクプレート使用時です。

2万kmほど走行したシリンダーですから当然磨耗もしているはずですので、必ずしも正確な測定値ではありませんが、1/1000mmの単位としても変化が大きいと驚かれるでしょう。

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今回は緑線と赤線の方向のボア寸法を測定しましたが、赤矢印は締結ボルトの位置です。 この辺りを測定してみると更に事実が判明しました。

続きます。

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シリンダーボア測定

2007年09月02日 | シリンダー、シリンダーヘッド

人気blogランキングへ ただ今の気温25℃、湿度65%。

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今日の題材は約2万km走行したエボビッグツインのシリンダーです。

本当は新品のほうが分かりやすいのですが、致し方ありません。

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これはトルクプレートというSSTです。

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これは一時世間を騒がせましたが、世界に誇るミツトヨのシリンダーゲージとデジタルインジケーターです。

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デジタルインジケーターは機能が豊富ですが、使い方はヤヤコシイというデジタル機器の例にもれませんが、 セットしてしまえばこの画像の場合では前後に振って最小値を求めるだけです。

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最小値は1/1000mm。画像上のように任意の場所でゼロ設定しておけば、画像下のように測定値は差を表示することもできます。

続きます。

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シリンダーヘッドアライメント

2007年07月11日 | シリンダー、シリンダーヘッド

人気blogランキングへ  今日も一日降っていましたが、夕日もちょっぴり。

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前回の関連記事はシリンダーアライメントでしたが、インテークマニホールドの位置決めですからシリンダーヘッドアライメントが正しい事になります。

シリンダーが動く範囲はヘッドボルトの形状により制限されると前回の記事では結論付けましたが、まだ要素があります。

図では大袈裟に書いてありますが、強く締めたボルトの影響でボルトの座面の当り面が多くの場合は矢印のように座屈しています。

つまり、この事に気づかずに位置を決めても、ヘッドボルトを締めると落ち着くところに(僅かですが)動く事があり”ヘッドボルトを締めたときには位置が変わる”可能性も知っておいて下さい。

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前回は簡単なゲージを作ってみましたが・・・・

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角度が合っているだけでは、前後のヘッドが逆の方向に動いていても辻褄が合っている場合もあり、マニホールドをあてがってもシールリングの当り面が緑線のように一直線になっていない事になりかねません。

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ヘッドボルトを締める前に位置決めをする事のもう一つの不確定要素は、ヘッドボルトを締める事によりヘッドガスケットが沈むことで、画像上はヘッドボルトを締める前の隙間で、画像下は締めた後の隙間です。

シリンダーが45°の相対角度ですから、こういうことになります。

画像上ではマニホールドの当て方が正確ではないようで、実際より隙間が大きく見えているかもしれません。

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今回はS&SのEキャブですから、マニホールドも画像のもの。

ヘッド側はシールがOリング仕様ですから、アダプターリングも使います。

アダプターリングに関しては懸案事項が残っていますが、後ほどレポートできると思います。

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シールリングは以前紹介した特製。純正や社外品は幅が19mmですが、特製品は状況に合わせて幅を変えられるのが優位です。

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特にアダプターリングを使う場合には当り面の幅が重要と考えています。

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純正のクランプを使うとこういった具合に・・・・。

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純正キャブレターとエアクリーナーの組み合わせは、シリンダーヘッドにエアクリーナーがボルトオンされていますから良いのですが、社外キャブレターの多くは矢印のような”支え”が必要になります。

しかしココでもアライメントを考えないと無理な力が掛かり、2次エアーの原因にもなりかねません。

バイク盗難情報 またアチコチで被害が増えているようです。

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シリンダーのアライメント

2007年07月07日 | シリンダー、シリンダーヘッド

 人気blogランキングへ  埼玉では今年は梅雨の一休みが多いようで。

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”2次エアー解決!?④”の記事ではシリンダーヘッドのアライメントが出ていないと、インテイクマニホールドからの2次エアー問題の解決に大変な苦労を要すると書きました。

その中でダウエルピンなどがなく位置決めがルーズなハーレーの鋳鉄シリンダーエンジンでは、どの程度動いてしまうかを検証してみました。

もちろん個体差もありますから、今回のケースの結果が全てではないことを前置きしておきます。

まずシリンダーを調べてみました。シリンダーが回転するように動く距離は約2.5mm。

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次にシリンダーヘッドの動く量ですが、マグネットベースをつける場所がないので、スケールを当てて測ってみました。段々大雑把になって申し訳ありません。約4.5mmです。

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ところがココで問題があります。ヘッドボルトの形状を良く見ると矢印の部分が膨らんでいて、隣の図のようになっていますから、ボルトのフランジ部分がシリンダーに接するところでないとマズイです。

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ヘッドボルトの全数を仮締めしてから、半回転緩めた状態では3.5mmです。

円弧を直線として測定していますから、あくまでも近似値として考えてください。

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違いが分かるでしょうか?画像の上は動く範囲でヘッドをつぼめた状態、下は広げた状態です。結構違うものです。シリンダーは動く範囲の中央に仮締めしてあります。

ここまでで分かったことは角度を計算しても大した事に感じませんが、動く距離が3.5mmというのはとても大きく、ヘッドを取り付けるときには充分な注意が必要です。

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マニホールドをあてがっても実はよく分かりません。

それでゲージを作ってみました。

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4箇所が接触すれば良いので分かりやすい!

ちなみに、シリンダーもヘッドも動く範囲のほぼ中央です。

ヘッドボルトは締まっていませんから、この時点でマニホールドを合わせても意味がありませんから、ヘッドボルトを締めてからもう一度角度を確認してマニホールドのスリアワセを行えば良いでしょう。

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またロッカーカバーの横にスケールを当ててみましたが、平らに見えても曲面ですから基準にならないようです。

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バイク盗難情報  お住まいの近くで盗難があったらホントに注意してください。


バルブスプリング

2007年06月26日 | シリンダー、シリンダーヘッド

人気blogランキングへ  湿度が高いと気温の割りに蒸し暑い。 

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シリンダーヘッドを組み立てる前に、バルブスプリングをチェックいたします。

線材の傷だけでなく変形などを直角定規などでチェックします。

矢印の直角定規はスコヤとも呼びますが、”スコヤ”って”スクエア”が訛ったのでしょうか?素朴な疑問です。

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サービスマニュアルによると、自由長は48.3~49.8mmとなっています。

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バイスとミニスプリングテスターを使ってテンションを測定します。

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つまりマニュアルのオープン/クローズの指定値までスプリングを圧縮して、テスターの値を読みます。

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コンナ感じで記録を取っておくと良いのではないでしょうか。

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①と②の違いは10ポンド前後ですが、この違いを大きく見るかそうでないか?

②はマニュアルのクローズ時の指定値34.9mmに圧縮してあります。①は指定値+2mmの36.9mm。

クローズの指定値は日本で言うところのセット長。4気筒エンジンなどのハイパフォーマンスバルブスプリングの中には、バルブスプリングキットにシムが含まれていて厳密にセット長を定めているものもあります。

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この画像を見て何かお気づきでしょうか?

①は今回のケースのアウター/インナー のセット。②と③はそれぞれの単体。巻いてある方向が逆です。こういったダブルスプリングの場合では絡まないように逆になっているのが普通ですね。

④は②と同じ方向に巻いてあります。つまりチョット見には同じものですが、間違えても②と④を一緒に使用してはなりません。

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シリンダーゲージ

2007年05月30日 | シリンダー、シリンダーヘッド

人気blogランキングへ これから雨は降るのだろうか?

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シリンダーを空のクランクケースに仮り付けしてボアを測ってみました。

表示の数字は気にしないでください。

1/1000の数字はさほど気にする必要はないと分かっていても、ゲージの当て方で1/1000~3/1000は変わってしまいますから気を使います。

鋳鉄製のシリンダーでも驚くほど・・・・・。

詳しくは後ほど。

今日はこれから埼玉のオートバイ事業協同組合の総会がありますので、仕事は休みですが出掛けなくてはなりません。

去年の総会の日は激しい嵐で、この1年の動向を予言するようでしたが、今日は今のところ穏やかですね。

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大馬鹿ヤロー ②

2006年05月25日 | シリンダー、シリンダーヘッド

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吃驚させてくれました。

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両方ともショベルヘッドのシリンダーです。

緑矢印のほうは正常にオイル戻り穴が開放してあり、赤矢印は丁寧に埋めてあります。

赤矢印シリンダーは、もう何年も前にアメリカ本国より輸入したショベリジに付いていたモノです。

症状はどうだったか忘れましたが、調子がオカシかったのでバラしてみると、ロッカーカバーの中にはオイルが充満していたのです。

それは当然ですね。なにしろオイル戻り穴が途中で封鎖されているのですから。

それでは何故戻り穴を埋めたのだろうかと考えると、パン以前はシリンダー内壁に穴が開放していないので、パンショベ(パンの腰下にショベルの腰上)にでも使っていたのだろうか?

いずれにしても、こんなシリンダーを使ってはマトモなエンジンにはなりません。

実はこの車両の出ドコは分かっていて、イチゴ畑で働くヤローがアルバイト(どっちが?)で日本向け仕様!のショベリジをプロデュースしていたのです。

ナローフレームにスポスタタンク、フラットフェンダーなどなど、一見日本人好みのショベリジは何台くらい輸入されたのか?

エンジンをまともに組みなおした後に納車してから、オーナーが乗っていてミッションロックもしたコノ車両はストロベリー ファクトリー?製のなかでも最悪であったのでしょう。

しかし、こういう程度の車両がロクに手も入れられずユーザーの手に渡れば、ショベルエンジンの評判が下がるのが良く理解できます。

魅せられても慎重になる方が多いのも現状では賢明かもしれません。

ですから、こういった事をする輩に対しては、侮蔑と親愛?の情を込めて”大馬鹿ヤロー”と呼ばせてもらいます。

それで大馬鹿ヤローは海の向こうだけに生息ししているのかと思うと、そうでもなく、日本国内でも数々の証言や私の目撃した事実でも明らかなのですが、それを糾弾しようとすると、叩かれるのはどういう事?