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ピストンエンジンは永遠か!な?

バイクを中心に話題を紹介します

無知に喝!!④

2006年03月25日 | ブレーキ系

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無知に喝!!③で紹介したリアブレーキマスターシリンダーです。

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分解するとこんな感じですね。

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ピストンがこんな酷い状態になっています。

グリコールとシリコンのフルードが混ざり合って時間が経つとヘドロが出来上がるのです。
これが更に時間が経過すると粉末になります。
知らずに乗っていると・・・・・・大変なことに・・・・・・。

ブレーキオイルラインの中は、キャブレターのフロートチャンバーと同等にクリーンな状態が求められるのですが、意外とおざなりにされています。

もし、ブレーキフルードを誤用した憶えのある方が居たら懺悔してください(笑)。
いや笑い事で済んだのなら運に感謝で・・・。

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くどいようですが、すっかりペイントが剥げてしまったバンジョー。

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バンジョーボルトにもヘドロが。

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各パーツは洗浄され、カップ類は新品に。

ブレーキ部品は重要保安部品ですから、整備は資格のある整備工場で行ってください。

*といってもクルマの整備工場でフルード誤用のケースは充分考えられますのでご注意を!!
 シリコン系とグリコール系の違いや存在さえ知らない?


無知に喝!!③

2006年03月24日 | ブレーキ系
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久しぶりの”喝”ですけれど、まえにも述べたように時折やるせないような他社?でのズサンな仕事振りを見ることがあります。
ブレーキ系統の整備に於いて無知によるズサンな仕事は、重大事故につながる可能性がありますが、もし無知によるものでなく知っていて行っていたとすると未必の故意ということになります。


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写真はエボリューション モデルの初期に使われていたリアブレーキのマスターシリンダーです。

バンジョーの付近からフルードが洩っていたので分解するため、矢印のバンジョーボルトを緩めようとしたら緩みません。
ブレーカーバーを使っても中々緩まず、普通はこんなことはナイので何かあるかなと思っていたら・・・・。

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バンジョーボルトを外す前にフルードを抜くので、グリコール系のフルードが入っていたのが分っていましたが・・・・・。

左側がこの車体に付いていたブレーキホースのバンジョーです。
グリコールのフルードが車体のペイントを侵すように、バンジョーのペイントを剥がしてしまった!!

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ココに使ってあったシールもボロボロですね。

どうやら洩れを止めるために強く締める”努力”をした結果のようです。

嗚呼!!どうした事だ!!
フルードの違いが分らないのか? それとも・・・・・・?

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ブレーキホースの継ぎ手として広く使われているバンジョーの名前の由来は楽器から来ているのでしょうけれど、パウダーコートか溶剤塗料の焼付け塗装か定かではありませんが、ハーレーのような塗装仕上げのものは他では見たことがありません。
通常のメッキ仕上げや、アルミ製のバンジョーでは写真右上のような、銅やアルミの”クラッシュ ワッシャー”を使います。

シールの違いによる矢印が示す当り面の幅の違いにも注目してください。

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写真のように2ピースで構成されるこのシールにもSTAT‐O‐SEALSという立派な名前がついています。

もちろん分解したあとは使い捨てになりますけれど、クラッシュワッシャーに較べてバンジョーボルトの締め付けトルクが低くても高いシール性能があります。
つまり、正しい使い方でフルードのリークがあったなら、増し締めしても直す事はできません。

しばらくハーレーにグリコール系のブレーキフルードを誤用したケースを見ずに済んでいましたが、今回のようなミスの上塗りをするようなメカニックの顔を見たいような気もしますけれど、最新モデルではグリコールが正式採用され始める事を耳にすると、マタマタ新たな混乱を予感させられますね。

















ブレーキライン

2005年10月01日 | ブレーキ系
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現行モデルと違って’80年ごろまでのモデルのブレーキラインは、クルマなどとと同じインバーテッド フレアというブレーキラインの結合方法をとっています。これをブレードホースで作るとなるとバンジョーとは違う種類のフィッティングが必要となります。
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あまり写真が良くないのですが、できあがったブレーキラインの写真です。
                                                                               
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このネジ穴はテーパーネジになっていて、普通のネジではありません。
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これはアダプターですね。この90度とストレートのものがあります。
雄ネジがテーパーになっているのが分かります。
雌ネジはフレアのフィッティングがつくようになっています。ねじ山は3/8-24ですが中がこのように「山」になっていたらフレアのフィッティングを使うことです


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このように組み合わせ方はいくつかあります。まあ一番小さくまとまるのが良いでしょう。
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一番左がキャリパーにつくノーマルのホースです。
フレアの構造が分かります。
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キャリパーに仮付けしてみるとこんな感じです。
好みでどちらか選べます。
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ダブルデイスクなので、中央のラインティーが必要になります。これはワタシが作りました。
ココに使うフイッティングはバンジョーと呼ばれるものを使います。
一番左は油圧ブレーキランプスイッチです。
マスターは純正なので、小さいスイッチが使えますのが5000円以上もするので、今回は油圧スイッチを使う事にしました。
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フィッティング類を仮付けしておいて、ブレーキホースの長さを測ります。
注意しなければならないのは、フォークが伸びきった状態かどうかです。そうでなく作ってしまうと、フォークが伸びたときに
ホースが引っ張られて、最悪では破損してしまいます。
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長さが決まったらカットします。
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カットするにはこのような特殊な形状の歯のカッターを使います。
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カットしたホースにフィッティングを組み立てます。
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まずカットした口に写真の専用の工具を使いブレード部分を広げます。
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かなり力を必要としますが、ここを確実にしておかないと後々にひびきます。
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テフロンホースとブレードの間に「オリーブ」と呼ばれる小さいパーツを押し込みます。
ブレードを良く広げてあれば、奥まで入ります。
奥までキチンと入れないと洩れの原因になります。
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フィッティングの組み立てです。
このまま差し込んで、アウターナットを確実に締め付ければ良いでしょう。
ワタシはネジ部分にシリコングリスを少量塗っておきますね。
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出来上がるとこんな感じです。
あとは出来上がった3本のホースを取り付け、エア抜きをすれば完成です。

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トリプルツリーの下に付けたティーも良く納まっていい感じです。




ブレーキトルクロッド

2005年09月29日 | ブレーキ系
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これはGMAのリアブレーキキットを取り付けた写真ですが、例によってそのままでは付きません。
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フレーム側の取り付け部が、このようにOEMタイプのトルクロッドが付くようになっていました。
キャッスルナットが付く純正のボルト径は1/2ですからかなり大きいです。

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写真はボールエンドタイプのトルクロッドを固定する3/8のボルトです。穴は13mm以上の大きさですからブカブカです。
GMAのキャリパーブラケットはアルミですからOEMのトルクロッドを使って、純正の1/2ボルトで緩く固定するわけには強度の関係で行きません。
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左下のような段付きカラーを作れば、問題解消です。
平ワッシャーなどで誤魔化すと大変です。ワッシャーは座屈してグラグラになってしまい、このように大きな力が掛かるボルトにガタがあると衝撃荷重で折れてしまう危険があります。



バナナキャリパー②

2005年09月25日 | ブレーキ系
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’81年モデルFLのフロントバナナキャリパーです。
’80年は混在している可能性がありますが、’79年以前と構造が変わっています。
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上が’81年のピストンでシールは角型になっていて普通のキャリパーのようにボディー側に付きます。
手に持っているほうが’79年までのピストンです。キャリパーボディーが違いますから互換性はありませんのでご注意ください。


「無知」に喝!②

2005年09月20日 | ブレーキ系
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’79のショベルFLのフロントブレーキマスターシリンダーのリザーバータンクのフタを外した状態です。
①のバナナキャリパーの車両のものですが、引きずっていたのでキャリパーを先にオーバーホールしましたが、マスターもこのように同じような状態でした。ブレーキフルードがヘドロになっています。
怖いですね~。
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インナーパーツも同じように汚物まみれですね。
幸いにシリンダーの内壁は大丈夫でしたので、本体はキレイにすれば使えます。
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メーカー純正のインナーキットです。


「無知」に喝!!

2005年09月19日 | ブレーキ系
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このところ続いている旧モデルのバナナキャリパーです。過去には無知により不適切な整備が沢山行われていました。
今後もそれらの「インチキメンテナンス」によるダメージからの復旧作業を紹介します。

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このブレーキ部品の内部とはとても思えない状態をみてください。
グリコールとシリコンの混合ブレーキフルードの成れの果てです。
このまま掃除して組み直すだけでは、とても正常な機能を回復するとも思えませんので、徹底的に復旧作業を行います。
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右側はこのキャリパーに入っていたピストンです。
左側は汚いのですけれど、本来の構造のピストンです。
違いは波型のスプリングがあるかないかです。
通常のキャリパーピストンは、角型のシールの弾性を使って油圧が下がったときのピストンを戻していますが、初期型のバナナキャリパーはこのようなスプリングと花型リングを組み合わせてピストンを戻します。
ところが肝心のスプリングがありませんでした。
当時はこのブレーキは「引き摺り」の問題を抱えていて、これは「バカ」な対策による被害の一つかもしれません。
ワタシは根本的な引き摺り対策を25年前に分かっています。どうしても知りたい方がいらっしゃればこっそり教えますのでメールでもください。
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キレイにして復活しつつある構成部品です。
ゴム部品は新品が純正品がまだ手に入りますので、当然それを使います。
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各部品にブレーキフルードを塗って組み立てます。
こうする事により、最終的にフルードのエア抜きをした場合に気泡ができることを防止して、全体の作業を迅速に行えますね。リングナットを締めるのには緩めるときに作ったSSTが活躍します。ナットを締める際にピストンを押さえる方法は、旋盤の3方チャックを使いました。

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ピストンをキャリパーに挿入する前にも、全体にフルードを塗っておきます。
ドライな状態でOリングを押し込むと、引っ掛かって傷つける場合がありますので、ゴム製品を金属に嵌め込む場合には必ず潤滑させてください。

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ブーツを先にキャリパーボディーにセットして、巻き込まないように細心の注意でピストンを押し込みます。
プラステイックハンマーなどで軽く叩いても良いと思います。
キャリパーボディーに必ず平行にいれます。曲げて入れるとボディーの内側やピストンを傷つけ、フルード漏れの原因を作ってしまいます。

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これで完成です。



*上記説明を参考に作業された場合のいかなる結果にはワタシは責任を負いません。