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ピストンエンジンは永遠か!な?

バイクを中心に話題を紹介します

5速ミッションまたもや!

2006年12月10日 | トランスミッション

人気blogランキングへ 昨日の雨がウソのようですが、日が暮れると冷たい風が吹き寒いです。

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トランスミッションが故障して、分解してみたらこのようなドッグクラッチがバラバラになって出てきました。

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写真のピントが手前に合ってしまい肝心なものはチョットぼけていますが、矢印は破損した部品がシフターフォークに挟まってしまい、ローギアしか使えなくなったのです。

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壊れた部品は1速ギアですが、4速のときにドッグクラッチが手前の4速ギアと噛合います。

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これは前回の8月から9月にかけて修理したミッションの写真です。欠け具合が違うのが分かると思います。

今回故障した車両は2003年モデルで、走行は約1万kmですね。

しかし、このような故障が立て続けに発生して良いのでしょうか?先日お会いした○○○の○○さんにお聞きしたら、4台同じ故障を修理したとか。

XL1200sは人気が高く、今でも愛用しているユーザーの方は多くいらっしゃると思いますが、このような記事を見てしまうとオチオチ寝てもいられなくなるのではないでしょうか?

壊れた破片は何度見ても強度不足に見えます。前回の記事でも書きましたが、修理するのにも金額的に痛いし、何よりもミッションロックすれば大きな事故にもなってしまいます。

ワタシも大袈裟に騒ぐつもりはございませんが、同様の故障に遭遇したユーザーやメカニックの方は是非お知らせください。連絡先はコチラ

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スプロケット周辺オイルリーク

2006年09月27日 | トランスミッション

人気blogランキングへ   午後になってからは、それまでの雨がウソのように晴れ間が出てきました。

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ドライブプーリー(スプロケット)周辺のオイルリークは構造上の理由で、中々ウマクは対処できません。

写真の車両も割りと最近に手当てをしたのですが、液体ガスケットによる姑息的手段であるため、再発してしまいました。

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トランスミッションケース③でも紹介したように'80年モデル以降は、矢印の示す部分の幅が広くなりましたけれど・・・。

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この写真の矢印で示す部分の当り面の大きさは変りません。硬い炭素鋼同士で突き当たっているので、オイルリークは当然!?

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”メインドライブギア付近”でも説明しているように、5速ミッションになるまで解決できませんでした。

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ところが、何時何処のメーカーからリリースされたのか不明ですが、Oリングが使えるメインドライブギアがありましたね。

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ところが、ところが、シャフト径そのままにOリング溝を加工してあるので、①の図のように肉厚が約1.5mmしかありません。

スプロケットナットを締めると黄矢印のように力が掛かるし、トルクも掛かるシャフトの肉厚がコレでは怖くて使えません。

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そこで②の図のようにスペーサーの内側に溝を加工して、Oリングが入るようにしてみました。

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元々想定してないものを追加するのには制約があり、緑矢印のスプラインの溝のお陰で赤矢印で示すスペースが4mmしかありません。

そのために、上の②の図の斜線部分の強度が心配なので実用はまだ考えています。

まあ、座屈してスプロケット(プーリー)ナットが緩むほうが、シャフトが千切れるよりズットましではありますが・・・。

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スポーツスター 5速ミッション

2006年09月22日 | トランスミッション

人気blogランキングへ  今日は曇っていますけれど、バイクに乗るのにはちょうどいいですね。どこからか匂ってくる金木犀の香りが秋を感じます。

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T/M修理見積もりでピックアップした部品がようやく揃いました。こうした部品の在庫は国内に全部はないようで、3週間以上掛かってしまいました。

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アクセスドアのベアリング交換から始めて、各ギアを組み立てていきます。

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途中のロックリングにはリングプライヤーの先端が入る穴がありませんから、写真のようなプライヤーを使うと作業しやすいです。

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組みあがったミッション。矢印はニュートラルインジケーターランプスイッチの接点です。

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5速ギアの内部のニードルベアリングを青矢印のSSTを使い圧入します。段になっているところまで押すと指定された位置になります。ニードルベアリングの外側のシェルは薄いので、叩いて作業すると破損や変形する恐れがあるので、プレスを使ったほうが良いでしょう。

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クランクケースにSSTを使いベアリングを圧入します。

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反対側はコンナ感じです。

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ケースにベアリングを全部組み付けたところです。赤矢印は5速ギア(メインシャフト)、青矢印はカウンターシャフト、緑矢印はシフターフォークドラムが入ります。水色矢印はニュートラルスイッチ。

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ミッションアッセンブリーを組み付ける前に5速ギアを取り付けます。矢印はニュートラルインジケーターランプスイッチです。

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5速ギアをベアリングに取り付けるのはカナリ固いですから、SSTを使わないでハンマー等で叩いて入れると、ケースやベアリングに無理が掛かるのでお勧めできません。

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ミッションアッセンブリーをはめ込みます。

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ここでギアシフトの仕組みをチョット。

ギアペダルを操作すると、シフターシャフトが赤両矢印のように回転して、黄両矢印のようにシフターポールを動かします。

赤矢印のシフターポール先端が青矢印のシフタードラムのピンに引っ掛かってドラムを回転させることにより、シフターフォークを動かします。このシフターポールの先端とシフタードラムピンの噛み合わせを調整するのには緑矢印のようにこの機構全体を動かします。

ピンク矢印はディテントアームで、この写真にはありませんがディテントプレートの溝とアームの先端のローラーが噛合ってギアポジションを固定します。

ディテントアームのローラーと反対側にはスプリングがあり、それが壊れるとギアポジションの固定ができませんから、ギアの操作が不能になったり、ギア抜けもあるかもしれません。

白矢印のスプリングはシフターシャフトを中央に戻す働きをしていて、シフトペダルを操作した時に感じる反力はこのスプリングの働きです。コレが壊れるとペダルがガタガタに動いてしまい、勿論ギアの操作は不能になります。

水色矢印はポールをピンに押し付ける働きをしますので、壊れるとギアの操作に不具合がありますね。

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シフターポールの調整は赤矢印のナットを緩め、黄矢印のように全体を動かすと、ポールが緑矢印のように上下しますので、ディテントプレートに開いた穴から、手に持った2.9mmのドリルビットをポールの先端とピンの間に差し込んで、クリアランスをゼロにします。

ココで気をつけたいのは、プライマリーカバーが外れている状態では、シフターシャフトの位置によって位置が変ってしまう事です。この調整がウマクいってないと、シフタードラムの回転量が足りないで、シフターフォークのストローク不足になり、ギア抜けになったりします。充分な試運転によるチェックが必要です。

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ディテントプレートと悪名高き?リテーニングリング。時としてリテーニングリングリングが外れてギアシフトが不能になります。

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T/M修理見積もり

2006年08月22日 | トランスミッション

人気blogランキングへ  水面下で激しい戦いが繰り広げられています。

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先日紹介した壊れてしまったトランスミッションの修理をすることになり、交換しなければならない部品の特定をいたしました。

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スポーツスターですから、ドライブプーリーは右側になります。’03年までのスポーツスターはトランスミッションだけを取り出して修理などできるので便利といえば便利です。

カセットミッションといえどもドライブプーリーは外さなければなりませんから、こちら側もソックリ分解します。

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ベアリング付近を良く見ると、金属粉が確認できます。これはプライマリー付近でも見られたシフターフォークが削られた痕跡ですが、ココまでオイルに混ざって存在していると言う事は、ベアリングの中まで入ってしまっていると思わなくてはなりません。

「mission.xls」をダウンロード

交換部品のリストが見られますので、よろしかったら参考にでもしてください。*印は交換したほうが良いかもしれないといった部品です。

日本での純正部品の価格が本国に比べ倍はするというのは周知の事実?です。今回のような大掛かりな修理にはその代金に多大な部品代が占めてしまうので、気楽にポイポイ交換するわけにはまいりませんが、あまり部品代をケチって再修理するのは考え物です。

再修理はユーザーとショップ双方に時間的、金銭的に負担が掛かり、ロクな事がないのはいうまでもありません。そうかと言って必要がないものまで交換するオーバークオリティな仕事は、ユーザーに過大な負担を掛け、最終的にはショップ側も信用を失い、得はありません。それだけに交換部品の特定は慎重にやらざるを得ないというところで、その鬩ぎ合いが難しいところです。

純正部品の高価格に悩む時は、社外品の選択も有りで、膨大なアフターマーケットパーツの中には、純正品と同等かそれ以上のクオリティのものもあります。

アンドリュースの製品もその一つで、日本での純正部品価格と社外品の現地価格を較べるのはフェアではありませんけれど、メインシャフトのギアが1枚77ドルはリーズナブルです。

今回の故障で、ミッションロックによる事故を引き起こさなくて本当に良かったのですが、重要保安部品の修理などでは、粗悪な部品を使ったり何かのミスで2次災害が起きるか可能性は何時でもあります。

ワタシの27年間では、ミスが皆無という訳ではありませんが、幸い事故に至るような事態はありませんでした。こうした不安をサポートしてくれるのが店舗総合保険で、預かった車両の盗難、試運転での事故、それに修理等のミスが起因する事故などを補償してくれます。

まあこういった保険料などもショップの経費になり、修理代金の(ほんの)一部で負担する事ですから、代金を押し上げる一因にはなりますが、安心して大事なバイクを預ける事ができるのではないでしょうか?

人気blogランキングへ 昨日の高校野球決勝戦のような?熱戦が見られます。


トランスフルードにご用心②

2006年08月14日 | トランスミッション

人気blogランキングへ  お盆ですが更新はできるだけ毎日やろうと思っています。

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プライマリーケースの下のほうに、黄色っぽい金属粉がたまっています。

黄色っぽい金属は真鍮系の合金ですから、シフターフォークが異常に磨耗していることを物語っています。

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’03モデルまでのスポーツスターはカセット式ですから、1時間もあればこのようにミッション単体で取り出すことができますから、異常を感じたら分解点検したほうが、結局安く済むこともあるし大事に至る前に対処したほうが良いと思います。

矢印は例の4速ドッグクラッチが破損した箇所です。

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全部が見事に根こそぎもぎ取られて無くなっています。

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①が壊れた4速のドッグクラッチですが、歯の根元のベースの厚さが他と較べて一番薄いですね。やはり強度不足のような・・・・。

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隣のサードギアが破片を噛みこんだようで、見事に歯が欠けていました。

トランスミッショントラブルの一番怖いのはロックする事です。昔の2サイクルエンジンのようにイキナリピストンが焼きついてロックしても、クラッチを即座に握れば一応対処できますけれど、ミッションロックは後輪ロックに必ず発展するので何も対処の方法がありません。

今回のトラブルは幸いにロックもせず、自力で帰着されたようですが、ミッションフルードの交換作業の際には異物が混じっていないか注意をされると賢明です。

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トランスフルードにご用心

2006年08月12日 | トランスミッション

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2001年モデルのスポーツスター1200です。

3速ギアで走行中に異音が出て、気をつけていたけれど4速が全く使えなくなったという状況です。

早速分解してみると、手に乗っている破片が出てきました。

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大きい破片はドッグクラッチの欠け落ちた歯です。右端はギアの歯のようですね。

ビニール袋に入っている矢印で示しているのは、前回にトランスフルード交換したときに出てきた屑を保管!しておいたものです。

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ドッグクラッチの一番大きい破片を良く見てみると、矢印で示すベース部分の厚さが薄い!設計上の強度不足?

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前回(2ヶ月前)のフルード交換の際のドレンに付着した金属屑です。これだけのモノは気になって写真を撮っておいたのですね。

振り返って考えてみると、この車両のオーナーには相当強く注意を促していました。

通常ドレンの磁石に付着するのはオイルと混ざってコンパウンド状になったものか、破片といってもかなり細かいものに過ぎません。写真のような破片を発見したなら即座に分解点検することをお勧めします。

続きます。

人気blogランキングへ  東北道は100km以上の渋滞とか、帰省や長距離ツーリングはお気を付けて。


リバース ギア ②

2006年04月18日 | トランスミッション

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レバーを操作するとギアが動く様子が分ります。

キットメーカーの説明によると、リバースギアに入っているまま前進ギアを入れてもリバースが解除されるそうです。勿論お勧めはしていません。

その逆で、前進ギアが入っている場合には絶対にリバースを入れようとしてはいけません。

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モノによっては矢印の部分が干渉するので、ミッションカバー側を削らなくてはなりません。

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ギアユニットの厚さ分、付属のボールを使いプッシュロッドの長さを補います。

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ミッションユニットの厚さ分が出っ張るので、エキゾーストパイプを対策品に交換します。

別売で¥38000(だったかな?)と意外と高価ですが、エキパイを改造するよりズットましです。

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クラッチレリーズカバーとエキパイを取り付けると位置関係はこんな感じです。

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セイフティートリガーを合わせて、穴の位置を決めます。

以前は穴あけ済みだったのですが、キットによってはトリガーの向きがずれてしまうので、後加工になったようです。

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決めた位置にポンチを打って・・・・・・・。

この時にはVブロックを使うと丸いシャフトが転がらずにすみます。

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ドリリングする時もVブロックを使って・・・・・。

3㎜のドリルなので、気をつけないとすぐ折りますよ。

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ロッドの本体への固定するネジ山にロックタイトを塗布します。

この時に量が多すぎるとハミでて、ロッドのスムースな操作の妨げになります。

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穴の方向はズレていないですね。

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コレで完成!

こういった機能部品は、おヒカリモノよりずっと役に立ちますが、取り扱いに注意しないとスグに故障ということもあり得ます。丁寧に扱う事をお勧めします。


リバース ギア

2006年04月16日 | トランスミッション

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昨日、今日とドラゴンウエーブの開催でしたが、予報と違って天気が良く幸いでした。皆様は無事に帰着されたでしょうか?

以前はリバースギア(バックギア)はサイドカー専用であったのですが、最近はソロバイクへの取り付け依頼が増えています。

理由としては、優秀なキットのリリース、ツーリングモデルの増加、更にライダーの高年齢化(失礼)と考えられます。あとはドンドン重くなる車重?

広いアメリカの駐車場の状況と違い、日本の狭い駐車場の現実では、コンビニなどに立ち寄ったウルトラなどが仲間に後から引っ張ってもらっている光景も良く見かけます。アメリカではクルマでもリバース必要ない?

ソロバイクにリバースシステムが標準で採用されたのは、ホンダGL1500が初め?その特徴的な6気筒エンジンのお陰で大きく重い車両には、セルモーターを利用したシステムは必要だったのです。

セルモーターを利用したので、その速度は・・・・・・遅すぎ!で、安全を考えれば妥当だったのか?

今回のキットは完成度が高く肝心の減速比は絶妙で、カウンターシャフトを逆転させるものですから、速度はアクセルでコントロールできるし、お勧めですね。

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ウルトラでは、ココまで辿りつくのが難儀です。

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クラッチレリーズカバーを外したところです。この辺りをご覧になった事がない方のために説明すると、トランスミッションにはメインシャフトとカウンターシャフトの2本のシャフトが大抵あります。

中空のメインシャフトを貫通したプッシュロッドは、ベアリングを介してレリーズからのクラッチレバーを握って発生した往復運動をクラッチ本体に伝えます。

4速ミッションではロッドと別体であったオイルスリンガーがプッシュロッドエンドと一体になっています。

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クラッチレリーズカバーの内側です。インナーランプってあまり聞いたことがないでしょう。

アラジンのランプと言うわけでなく、つまりLAMPでなくRAMPということで傾斜路のことだそうです。高速道路に上がるランプですね。

インナーランプとアウターランプの間にベアリングのボールが入って、ボールの入る溝が傾斜路になっているので回転運動を直線運動に変換します。

この部分でレバーを軽くする部品は、傾斜の角度を緩やかにしてレバーの操作力を軽減します。その代償としてストローク量が減少するので、調整がシビアになりますね。

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キット内容です。最近は操作レバーのノブがアルミ削り出しになったようです。

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取付には通常の工具のほかに、専用のSSTと5mmの超硬ドリルが必要です。

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メインシャフトに付くギアで、ご覧のようにメインシャフトに直接ネジ止めになりますが、トルクが掛かる回転方向はネジを緩めてしまいますので、矢印のように緩み止めピンがはいる溝があります。

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まず各シャフトのナットを外して、ギアを代わりに取り付けます。

ギアとシャフトのネジ山は完全に脱脂してから、付属のロックタイト#620を塗り専用SSTを使い締めますが、純正ナットの締め付けトルクの倍以上の数値が指示されています。

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ココからは中々困難が待ち受けています。

焼きいれ処理してあるメインシャフトのネジ山に、回り止めピンの入る溝を作らなければなりません。

矢印はメインシャフトのネジ山です。

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切り粉がミッション内部に入らないようにマスキングをしてから、ドリルを穴にマッスグ入れます。

上でギア単体で説明した溝から外れると、益々困難になり、作業ができたとしてもピンが入らなくなってしまいます。

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作業によって出てくる切り粉は、通常のドリリングの切り粉と違い細かいので指先に刺さらないように・・・・。

コツは?

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写真の左側は見え方が変ですけれど新品で、3000円以上もする高価なモノです。

右は折れてしまったもので、使い方によっては簡単にこうなってしまいます。

普通硬いものにドリリングする場合は回転を落として、それなりの圧力を加えて行いますが、今回の場合は条件がまるきり異なり、焼入れ処理のしてあるネジ山を、丸い穴ではなく半円状に削り取っていくので、リューターでの作業に近い使い方です。

最初の食いつきの瞬間に刃先が引っ掛かると、その時点でドリルが折れる場合もあり、3000円がオジャンです。

ワタシのやり方は、前述のようにリューターのごとく高回転で力を入れずに、1/100mmずつ削っていく感覚です。

あ~、これ以上の説明は文章と写真を使っても無理かな?経験だけは譲れませんね。

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切り粉を掃除して、回り止めピンもネジ込みなので、脱脂してロックタイトを塗布し取り付けます。

続く


4速T/M ラチェットトップ

2006年04月13日 | トランスミッション

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’78年前期まで使われていた”ラチェットトップ”です。シンプルなリンケージは磨耗や故障が少なく、ハンドシフトにもカスタマイズしやすいので人気があります。

ミッションの上部のカバーですけれどシフト機構が組み込まれているので、単なるカバーではありません。

何回も言うように、こうしたアッセンブリーの経歴は分りませんので、できれば手に入れた時点で分解整備をしたいものですね。

やはりココにも・・・・!

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ココはシフターカムの位置をフォロワーで押さえる部分です。今は1速と2速の間のニュートラルです。

シフターカムと位置決めカムは一体構造になっていますので、シフターカムの位置もニュートラルです。

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矢印はニュートラスイッチと接触する突起です。当然シフターカムのニュートラルと一致しなければナリマセン。

ところが、チョット考えれば分かりそうなものですが、ニュートラルランプが点くタイミングは3速ギアの付近になっていました。まったくナンテコッタイ!!

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シフターカムにFLの浮き文字があるのに注目です。

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分解するのには、まず矢印のスクリューを外します。

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シフターカムのシャフトを抜く事ができます。因みにOリングが見えますが、この奥にシールを付けるのでコレは蛇足です。こんな余計なモノをつけるのならシフターカムをチャンと組めよ!て感じですよね。

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シフターカムが外れます。

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ラチェット部分を外して・・・・・・。

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矢印のところにあったコッターピンを抜き取れば・・・・・。

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シフターシャフトがシフターギアから抜けます。中にはこの挿入部分が硬くて抜けにくい場合がありますので、その時はコジッたり引っ張ったり苦労させられますね。

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  トップカバー本体をガラスビーズで仕上げてから組み立てます。

注意事項はその時に・・・・・。


5速ミッション③

2006年03月08日 | トランスミッション
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2005年10月26日掲載の記事で、シフターシャフトレバーのスプリングの交換作業を紹介しましたが、この一連の作業で重要なことがありました。
先に紹介した車両はオープンプライマリーでしたのでウッカリしてしまいましたが、通常のクローズプライマリーではメインシャフトにインナーレースが圧入されています。
ギアアッセンブリーの取り出しや、メインシャフトのオイルシールの交換には、下記の作業が必要となります。

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これは専用のSSTです。レースの圧入は硬く入っている場合が多いので、コレではなくても準じたプーラーがないと大変な苦労をしてしまいます。

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メインシャフトの先端には、このようなアダプターピースを使わないとシャフトを傷めてしまいます。

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硬く入っているレースを抜くには、SSTをマッスグセットしないと・・・・・。

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ようやく抜けそうで・・・・・。


スプリングの交換だけなら「5速ギアごと抜いてしまう」という応急的な荒業?も有りかもしれませんし、オープンプライマリーのインストールならレースは2度と使わないので、サンダー等で「削り取ってしまう」というコレもアラワザも有りかもしれませんが、スマートなお仕事にはやはりSSTは欠かせません。