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中国朝鮮族と在日朝鮮人の民族教育 7

2007年05月27日 | 民族教育
■中国朝鮮族教育を巡る問題点 4
朝鮮族学校に通う子どもが減少する問題
1)延辺地区より散居地区、とくに大都市の減少が多い
 前述したように、延辺地区の場合、朝鮮族学校に通う子どもは、全体の97%を占めている。それに対し、散居地区のその割合は8割程度である。ハルピン、長春、瀋陽などの大都市においては、この比率はさらに20~30%という低水準に達している。
 それは、散居地区の朝鮮族はあまりにも分散して居住しているので、家の近くに朝鮮族学校がないことが原因であろうと考えて、一部の学校は、通学バスを購入して学校から遠い子どもたちを家まで迎えに行く方法(たとえば長春市寛城区朝鮮族小学校)、寄宿舎を作って子どもを寄宿させる方法(たとえば長春市朝陽区朝鮮族小学校)を取って対処している。しかし、その効果はなかなか見えていないのが実情である。

2)上級学校に行くにつれ減少が多くなる
 朝鮮族学校に通う子どもの割合は、延辺地区の場合、小学校97%、中学校89.8%、吉林省延辺以外の地区では、小学校84.4%、中学校67.1%、黒龍江省では、小学校76.4%、中学校63.9%、遼寧省では、小学校89.1%、中学校76.5%である。筆者が行ったアンケート調査からも同じ傾向が見られる。
 小学校の段階では、子どもに朝鮮語や自民族に関する知識を学ばせ、中学校や高校に入ると、将来の進学や就職を考えて子どもに漢族学校、とくに重点学校へ行かせる親の多いことがその主な原因であると思われる。筆者自身も小学校卒業するまえに両親と相談して、朝鮮族中学校に行かずに、吉林省の重点学校である長春市第六中学校に進学した経験を持っている。
 朝鮮族学校自身の努力や1992年の韓国との国交樹立によって、朝鮮語の使用頻度が多くなり、朝鮮族学校に通う子どもの数は一時増えていたが、最近では再び減少する傾向が見られる。筆者が2001年4月に行なった現地調査によれば、長春市二道区朝鮮族小学校の2000年度の卒業生は48人であったが、新入生はわずか19人であった。

3)将来への予想
 今回のアンケート調査では、朝鮮族の若者の民族意識がだんだんと薄れていることや子どもを朝鮮族学校へ行かせたい親が減少していることが検証されたので、朝鮮族学校の学生数、とくに散居地区の朝鮮族学校の学生数はこれからも減少していくのではないかと予想される。
 以上は、中国朝鮮族教育を巡る問題点をまとめて検討した。これらの問題に対応して、朝鮮族教育のあるべき姿を根本的に見直し、だんだんと薄れている朝鮮族学校の魅力を回復させることは、たいへん重要なことであると言えよう。
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