三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者の追悼碑を建立する会と紀州鉱山の真実を明らかにする会

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「日本に奪われた五台山本実録、本来の場所に取り戻してこそ恥辱を晴らせる」

2021年06月30日 | 国民国家日本の侵略犯罪
http://japan.hani.co.kr/arti/culture/40409.html
「The Hankyoreh」 2021-06-29 10:44
■「日本に奪われた五台山本実録、本来の場所に取り戻してこそ恥辱を晴らせる」
 [インタビュー]五台山月精寺住職の正念僧侶

【写真】正念僧侶が22日、月精寺の尋剣堂でインタビュー中に、最近収集した「大韓帝国皇室の五台山史庫参奉任命教旨」を見せている。光武4年の1900年3月、大韓帝国春秋館で、イ・ジョンチャンという人物を五台山史庫を守る守護職に任命するという内容だ=ノ・ヒョンソク記者//ハンギョレ新聞社

 「江原道平昌郡(ピョンチャングン)の五台山(オデサン)山奥の史庫に300年間保管されていた『朝鮮王朝実録』の所有者は、昔も今も国です。私たちの要求は、この国有文化財の所有権を変えてほしいということではありません」
 五台山の古刹である月精寺の住職の正念(チョンニョム、65)僧侶は、急に声のトーンを上げた。彼は「いまソウルの国立古宮博物館の収蔵庫にある五台山実録が、元来保管されていた元の場所に戻り、管理されることを望むだけです」と語った。管理主体についても、国か地方自治体か、それとも寺かをめぐり論争するような事案ではないと付け加えた。ならば、なぜ元の場所に戻さなければならないのか。彼は待っていたかのように簡明に答えた。「本寺が守ってきた国の記録が日本に強奪され、日本に渡り、本寺の努力によって取り戻されたからです」
 今月16日、文化界や仏教教団、江原道地域の約700人とともに「五台山史庫本朝鮮王朝実録・儀軌(ぎき)汎道民還収委員会」(以下還収委)を発足させた主役の一人である正念僧侶に22日、月精寺境内の尋剣堂執務室で会った。

 「朝鮮王朝実録・儀軌汎道民還収委」 
 共同委員長を務め、国会請願など推進計画 
 月精寺と仏教教団が2006年に東京大学からの返還進め 
 2011年、文化財庁の要求により「博物館」を建設 
 2016年、突然国立古宮博物館に移管 
 「実録を取り戻すのはユネスコ複合遺産登録の必須要素」

【写真】江原道平昌郡月精寺入口にある「王朝実録・儀軌博物館」。国費と地方費の131億ウォンの支援を受けて、2019年11月に面積2150平方メートル(650坪)、地上2階建ての建物が建てられた=ノ・ヒョンソク記者//ハンギョレ新聞社

 小説家のチョ・ジョンレ氏やキム・ドンホ元釜山映画祭執行委員長らと共に共同委員長を務める正念僧侶は、還収委の発足を機に、実録を元の場所に取り戻す運動を本格的に進める方針を明らかにした。来月には文化財庁長や文化体育観光部長官との面会を進め、国会請願など還収活動を続ける計画だ。
 五台山本実録は2004~2005年、正念僧侶と恵文僧侶をはじめとする月精寺と教団の関係者たちが、東京大学に実録が所蔵している事実を把握し、月精寺の名義で訴訟を準備するなど還収運動を繰り広げた末、2006年に東京大学がソウル大学に寄贈する形で返還された。2011年には、日本政府が五台山史庫本王室記録文書の儀軌などを韓国政府に返還した。文化財庁は2016年、国有王室文化財であることを考慮し、返還された実録と儀軌を国立古宮博物館に移管した。本来の場所である五台山に戻してほしいという月精寺の要求は受け入れられなかった。
 朝鮮王朝時代の五台山史庫の実録は、国の指示で月精寺が管理を務めたのが事実だ。国有文化財に対し、なぜお寺が返還を求めるのかという一部の疑問を意識したのかのように、住職はなぜ本来の場所に戻さなければならないのかを詳しく説明した。
 「壬辰倭乱(文禄・慶長の役)直後の1606年、実録の安全のために五台山の山奥で史庫が建てられました。月精寺の住職が有事の際、僧兵を動員できる王の密使を務め、300年間実録の管理を任されました。その間、80回以上も実録などを取り出して乾かす作業も行いました。韓日併合後の1913年、総督府の官吏が山奥に入り、王朝実録の残余本を侵奪し、注文津(チュムンジン)港から船に乗せて日本に搬出します。その時持っていかれた数百冊余りの実録は10年後の大地震で焼失し、75冊だけが残っています。五台山史庫本の実録の受難の歴史は、民族の受難の歴史と重なります。このような恥辱が込められた実録の残余本を、国ではなく寺と民間の専門家たちの力で取り戻したのです。本来の場所に永久貸与して管理するのが、過去の歴史の恥辱を晴らす道だと思っています」
 文化財保護法により、国有文化財は国家機関で一元化して管理すべきだと、文化財庁は一貫した方針を表明してきた。だが、住職の考えは違った。「五台山実録の残余本は、膨大な全体史考本の実録の中でごく一部であり、古宮博物館に置けば活用できる余地はあまりありません。月精寺では、2019年に国家予算を受けて2階建て2148平方メートル(650坪)規模の最先端の収蔵展示施設を備えた『王朝実録・儀軌博物館』もすでに建てており、常設展示や文化体験コンテンツとして大いに活用できます。2011年の還収固有祭の際、文化財庁長が管理施設を備えれば返すと約束しました。その言葉を信じて施設まで建てたのだから、返してもらうのが筋でしょう」
 月精寺や上院寺がある五台山は、仏陀の眞身舎利を安置した寂滅宝宮があり、三国時代からの伝統信仰の基盤とされていた。月精寺は、平昌郡(ピョンチャングン)とともに五台山の自然景観と仏教文化財をユネスコ複合遺産に登録するという中長期計画も推進している。
 住職は「実録を元の場所に戻すのが世界遺産登録の必須要素となる」と強調した。「地域の文化分権は時代の流れでもあります。(サムスン会長の故)イ・ゴンヒ・コレクションを巡り、自治体の間で美術館誘致競争が激しくなっています。ソウル景福宮(キョンボックン)に100年以上置かれていた高麗時代の傑作『智光国師玄廟塔』も最近、元の場所である原州(ウォンジュ)の法泉寺跡地への帰還が確定しました。地域の各地にゆかりのある文化遺産の本来の姿を取り戻すのは、韓国政府が標榜した文化分権政策への意志を示す指標になるはずです」。

平昌/ノ・ヒョンソク記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/culture/culture_general/1001266.html
韓国語原文入力:2021-06-28 21:53
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