「笛吹市立学校PCウィルスその後」 2008年3月5日付けで「笛吹市教委が再発防止策」と伝えたNHK山梨のニュースがありました。
結論として、自宅で私用パソコンによる作業を前提にしたUSBメモリー配布の140万円は無駄な投資です。全体的に再検討なさるべきとNHKのニュースからは感じました。
おそらくNHKのニュースも取材不十分で丁寧な記事にはなっていないと思えまずが、笛吹市教育委員会がウィルス対策で公認USBメモリーを200本配布することは間違えています。データが暗号化されるパスワードロックできるUSBメモリーはウィルス対策とは関係なく、セキュリティ対策の一環として行われるものと理解するのが当然ですし、そもそもがデータ持ち出しを公認するかのようなUSBメモリー配布がおかしいのです。
しかし教務に必要なデータで自宅作業せねばならない先生方の仕事環境も大変なのだということが分かりますから、まずはそれをどうすべきかという施策が考えられねばなりません。こういうUSBメモリーを配布すればセキュリティは確保できるというものではないわけです。
とりあえず自宅作業はやむをえない状況にあるなら次善の策になる訳です。
重要データは管理者だけが操作できるように暗号化・ロックされていてそれを外部記憶装置にはコピー出来ないようになっていること。
それ以外のデータを持ち帰ってセキュリティを確保しウィルス対策も行うということなら、教務専用にノートパソコンを支給してそれを学校でも自宅でも使っていただくということしかありません。そのノートパソコンは校内LANとの接続、データ交換はできてもそれ以外のネットワークとは接続できない事、USBその他の外部接続機能が無いもの(プリンターなどはLAN経由で利用する仕様のもの)であることが望ましいはずです。
こういうパソコン配布はとても予算が無いから公認USBメモリーを使っていただくという事には全く意味がありません。持ち帰り作業可能なデータとそれ以外の持ち出し禁止データの区分を明確にし、管理する体制を作り公表することが第一にやるべきことです。それには知恵と時間はかかりますがその間でもUSBメモリー配布は不要です。ご自宅パソコンにインストールしているウィルス防御ソフトのバージョンアップ経費などは公費で面倒みても良いかも知れません、お仕事を自宅でせねばならない先生方の為には。
甲府市立学校のPCウィルス問題については個人的に確認したままで終わりでしたが、笛吹市は対策をメディアに広報しNHKが報じたと思えることは素晴らしいことでした。そのことから私は上記のようなことを考えるに至りました。何も報じられなければ税金140万円がこんな風に無駄に使われることも知らずにいる訳です。私とは別なお考えの市民の方々、専門家の方々もおられると思います。笛吹市教育委員会へのより的確なアドバイスが必要な段階と感じています。
しかし、USBメモリーってほんとに便利なものになりました、昔のように大量のフロッピーディスクを持ち歩かずとも、必要なツールの他に最新版のAdobe Reader 8.1.2、QuickTime 7.4.1.14、SpybotS&D 1.5.2 などを入れてあります。クライアントさんの所に出かけた時にはパソコンをチェックして旧バージョンの場合はアップデートさせていただく訳です。USBメモリーには携帯ストラップを付けていて落としたり忘れたりしないように心掛けています。
NHKのニュースは以下の内容でした・・・
この問題は笛吹市内の小中学校で2月、教員が使っていたパソコンが個人で所有する外部記憶装置を通じてコンピューターウイルスに感染し、小中学校の一部のパソコンの使用が禁止されるなど教育現場に大きな影響が出たものです。これを受けて市の教育委員会は個人で所有する外部記憶装置の使用を禁止したうえで、およそ140万円をかけて新たに市内の小中学校に合わせて200本の外部記憶装置を配布することを決めました。
配布される外部記憶装置はパスワードの設定が可能なタイプで、使用する際は学校や自宅でかならずウイルスチェックを行うことを義務づけています。
問題の発覚のあと笛吹市が2週間にわたって市内の小中学校の1200台のパソコンを調べたところ複数のパソコンでウイルス感染が明らかになり、笛吹市教育委員会の山田武人教育長は「セキュリティ対策を徹底することで2度とこのような問題が起きないよう万全を期したい」と話しています。