『観光地で健康づくり――。山梨大学医学部と湯村温泉(甲府市)の旅館などが連携し、宿泊客がテレビ電話による専門医の問診を受けて健康増進に励みながら、甲府周辺を観光するというユニークなプログラムを来春にも始める。特に、生活習慣病の予防などに関心が高い中高年を呼び込みたい考え。日帰り客の多い山梨で、「滞在型観光」の新たなモデルケースとして注目を集めそうだ。』--2007年12月3日の読売新聞山梨版の記事で、湯村温泉郷の新しいプロジェクトが報じられました。
この取り組みには、山梨大学と甲府富士屋ホテルなど数軒の旅館のほか、同大医学部のある山梨県中央市が事務局、甲府商工会議所が誘客担当としてそれぞれ参加している。中央市が観光の振興や医療費削減につながるとして発案した。当初の3年間は総務省の支援を受けて実施する。
計画によると、旅館にはテレビ電話を設置。プログラムに参加する宿泊客は、チェックイン後、看護師に血圧、体重の測定など、簡単な健康診断をしてもらった上で、テレビ電話を通じて、山梨大学医学部の生活習慣病に詳しい専門医に問診をしてもらう。健康状態に関するアドバイスや生活習慣改善の指導を受け、滞在中には、近くの湯村山を登るなど適度な運動になる観光ルートを巡ったり、旅館のジムで専門家の指導を受けてトレーニングしたりする。
旅館は、問診結果も加味した健康食の提供を通じて宿泊客の健康増進をサポート。チェックアウト時には、専門医が自宅での健康づくりについても指導する。参加者ごとの「健康リポート」を作成し、定期的に問診を受けられるようにすることで、プログラム参加者がリピーターの宿泊客となることも期待している。
プログラムの準備が整い次第、甲府商工会議所が旅行会社などを通じて、参加者を募る。観光客に好評ならば、総務省の支援期間が過ぎた後も継続する方針だ。
「総務省の支援」ということから、これは中心市街地活性化事業と同様になにか政府のプログラムが募集された事に対する応募-選定という手順があったと思えました。中活に関して色々と調べていたので恐らくこのプログラムだろうと、「頑張る地方応援プログラム」 -地方自治体が策定したプロジェクトの一覧から最終的には『中央市は「頑張る地方応援プログラム」に応募しました』に到達しました。この記事が2007年09月01日なので、応募した結果がOKになり読売新聞の記事になったということです。
総務省と中央市が公開しているPDFファイルの内容は同じ、これは応募した企画書と思えますが、以下に抜粋しておきます。
(目的、概要)
高齢化に伴い医療費の増大による財政悪化等の地域課題を解決するため、市民一人一人の生涯にわたる自律的な健康管理の仕組みの構築が不可欠である。そこで、生活習慣病に関し全国トップレベルの知見を有する山梨大学の協力を得ながら時間的余裕がない働き盛りの年齢層(40歳~60歳)である生活習慣病予備軍に対し、生活習慣病の発症予防から発症後の健康管理までをICTを利活用して一貫してサポートする“生活改善日常型プラン“を企画しモデル事業とすることで、将来的な医療費削減を図る。
また、日常型プランで構築する個別指導支援システムを利用し、更に温泉や周辺の環境などを活用する“生活改善滞在型プラン“をモデル化し、健康と観光を融合した新たなビジネスモデルを創出する。これらにより、ICTを利活用した地域の活性化、市財政の健全化を図る。
(具体的な成果目標)
①日常型プラン…中央市の40歳~60歳(国保加入者)までの市民を対象とした生活習慣の改善。
○参加者に対し健康状況が向上したと実感できる人の割合を70%以上にする。
・H19:参加者50人→35人以上 ~ H23:参加者330人→231人以上
②滞在型プラン…湯村温泉郷生活習慣病改善宿泊プラン利用者数の達成。
○宿泊者に対し本プランを利用する目標人数の達成。
・H19:プラン利用者 50人以上達成 ~ H23:プラン利用者1,000人以上達成
事業概要の「日常型プラン」は引用を略しますが、湯村については、
②滞在型プラン…温泉地等(湯村温泉郷)の非日常的な環境におけるICTを利活用した生活習慣病改善宿泊プラン(2泊3日)を企画する。
宿泊客は、通常の観光に加えて、滞在中に測定されたデータを基に温泉、食事、運動を組み合わせた個人別のプランが策定され、滞在時にその有効性を体験することができ生活習慣病への理解が深まる。また、帰宅しても検診データや体重や食事内容などの健康データを定期的に入力することで、経時的な健康管理が可能となり、専門医や保健師などから、適切なアドバイスを受けることができ、単なる入浴を目的としたものから、新たに健康と観光を融合したビジネスモデルを創出する。(下線は編者)
先日来、清里のキープにおける滞在型観光プログラムや「森療時間」などのことを知り、このブログで書いてきました。途中を省いて結論を述べるなら、高齢者医療費問題については、漢方の自己治癒力を高める方法でやるか西洋医学の対症療法でやるかの違いを考えます。行政問題のあらゆることについても、中心市街地活性化についても、同じことをいつも考えています。
ICTというのは、そのどちらにも使えるツールであり、使う人しだいです。ブロードバンドが活用でき、インターネット活用に熱心な方々も多い湯村温泉郷に目をつけた中央市に感謝したい「愛して・・甲府」です(^o^)
事業概要で下線を付したのは、これも送受信どちら側でもブロードバンドが使えるからであり、遠隔地診療と同じことになる、この事が湯村温泉郷、山梨県へのリピーターとなるお客様を増やす事になります。山梨県情報ハイウェイの民生利用とはこういう事が高額な回線料を払わずともできることを目指したはずです、山梨の全県下で。
「頑張る地方応援プログラム」には甲府市も応募しています。未だ確認していませんので後日分かればブログに書きます。