ひろかずのブログ

加古川市・高砂市・播磨町・稲美町地域の歴史探訪。
かつて、「加印地域」と呼ばれ、一つの文化圏・経済圏であった。

北条直正物語(9) 『母里村難恢復史略』

2020-07-08 08:14:10 |  北条直正物語

 「北条直正物語」(1~8)』は、これからの「北条直正物語」の予備知識です。

 それでは、「北条直正物語」の本番です。

 

         『母里村難恢復史略』

 稲美町に『母里村難恢復史略(もりそんなんかいふくしりゃく)』(以下『難恢復史略』)があります。

 著者は、北条直正(ほうじょうなおまさ)です。

 

 明治12年、加古川の寺家町に「加古郡役所」が設置されました。

 北条は、県から任命された初代・加古郡の郡長です。

 彼は、水と貧困にあえいだ母里地区の状況を記録し、淡河川・山田川からの疎水を造り上げた先人の記録を『難恢復史略』にまとめました。

 そこに書かれた記述は、まさに稲美町の先人の壮烈な記録です。

     小説『赤い土』

 ここに一冊の本があります。小説『赤い土』(写真)です。

 著者は、小野晴彦さん(姫路市夢前町護持在住)です。

 小野晴彦さんは、元小学校の校長先生で、担任をされていた時に4年生の社会科で、身近な教材を探していたときに『難恢復史略』を紹介され、教材として活用されていました。

 水不足で貧困にあえぎながらも、県・政府を動かし、台地に水を引くために苦労を重ねた先人たちの苦労を語り伝えようと、定年退職後の1992年春、『恢復史略』を小説『赤い土』として、まとめられました。

 要点だけになりますが、しばらくは『赤い土』に添って、先人の熱と汗と恨みと喜びの跡を、たどることにしましょう。(no5021)

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