「三島由紀夫 in 加古川 市」(6月21日のブログ)で三島由紀夫の二回の加古川訪問について書いた。
その時は、三島の自伝的小説「仮面の告白」と猪瀬直樹氏の「ペルソナ」を参考にした。
「ペルソナ」では、三島の加古川での徴兵検査のようすを、次のように書いている。
「・・・加古川の公会堂で行われた徴兵検査は、学習院の青年にとって間違いなく惨めな体験だったはずだ。
徴兵検査は、体重や身長、視力を測りチェックするだけではない。腕力を確かめた。走ったり跳んだりでなく、重量挙げである。
(この時、三島と一緒に検査を受けたF氏は)僕(猪瀬)を、かつて加古川の公会堂でだった場所へ案内してくれた。・・・・・今は市立図書館として衣替えされたが、建物の概観は、ほとんど変わらない。
建物脇に、幹が斜めに傾いた一本松がある。枝ぶりは昔のままだそうだ。この松の木の下に並んだ若者たちは、順番に力比べをする。・・・」
三島由紀夫は、この木の下で徴兵検査を受けたが、よほど屈辱を味わったのであろう「仮面の告白」で、その時の様子を書いている。
「三島由紀夫 in 加古川市」を書いたとき、この松のことが気になった。公会堂の周辺をうろついた。それらしい木があったが、確かめることが出来なかった。
先日(8月2日)の神戸新聞の東播版は「文豪ゆかりの松」として、この松を紹介した。「やはりあの木だったのだ!」と嬉しくなった。
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