ひろかずのブログ

加古川市・高砂市・播磨町・稲美町地域の歴史探訪。
かつて、「加印地域」と呼ばれ、一つの文化圏・経済圏であった。

大河・かこがわ(43) 古墳時代(10) ヤマトタケル物語(6)、タケル白鳥に

2019-09-10 07:48:42 | 大河・かこがわ

      タケル白鳥に

 大和に帰ろうとします。

 オトタチバナヒメのことが忘れられません。

 しかし、悲しんでいるばかりおれません。

 甲斐の国(今の山梨県)を過ぎ、信濃(今の長野県)に入り、そこにはびこっている悪者を従え、尾張の国(今の愛知県)に帰りつきました。

 そこには、結婚の約束をしたミヤズヒメが待っていました。

 姫の顔はなぜかさえません。

 「本当に長い年月を待っていたので、とうとう病気になってしまいました・・・・」と答えるばかりでいた。

 タケルは、剣をミヤズヒメに預けて伊吹山の賊を征伐に出かけました。

 「この山の神(賊)ぐらい素手でも捻りつぶしてやるぞ・・・」と山を登って行くと、白い大きなイノシシが現れました。

 気にもとめず、さらに登りつづけました。

 このイノシシこそ、山の神が姿を変えて現れていたのでした。

 やがて、枝葉が折れるばかりの雹(ひょう)が降ってきました。

 「苦しい(寒い)・・・どうすればいいのか・・・・」タケルは歯を食いしばり、山を下り、やっと正気に戻りました。

 タケルの旅はさらに続きます。

 ある村にたどり着いた時でした。

 「ああ・・・私の足はこんなに三重に曲がってしまった。もう歩けない・・・」とつぶやくのでした。

 そのため、その地を三重(今の三重県)と呼ぶようになったといいます。

 それでも我慢して能煩野(のぼの)というところまでたどり着きました。

 そこからはあの懐かしい大和の地が見えます。

    大和は 国のまほろば

    たたなづく 青垣

    山ごもれる 大和しうるはし

 タケルは、この歌を歌い終わると、力つき息を引き取りました。

 皆が泣き悲しんでいる時でした。

 一羽の白鳥が、海岸の方へ飛んでいくでは、ありませんか。

 タケルの魂が白鳥になり、大空に舞い上がったのです。

 王子たちは、どこまでも、どこまでも追いかけて行ったといいます。(no4762)

 

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