高御位山の磐座(いわくら)
印南郡の人々が、最も早く神を祭った場所は高御位山の山頂であったと思われます。
もともと日本人は、神を祭る場所として神社というものを持ちませんでした。
神社などという建造物の無い時代ですから当然のことです。
天から降臨した神々は、もっぱら樹木や岩石に宿ると考えられました。
神が樹木などに宿った場所は「ひもろぎ(神籬)」といいます。
岩などに宿った場所を「磐座(いわくら)」と呼びました。
そして、家も田も潰してしまう豪雨。
稲の花を飛ばす暴風。
古代人は、森を焼く雷、恐ろしい火山の爆発など、すべては山からやってくる神の仕業であると考えていました。
山は、弥生時代以来、大切な崇拝の対象となりました。
古代人は、これらの神の宿った「ひもろぎ」「磐座」を神として祭りました。
高御位山山頂は、形の良いまさに天井から神々の降りてこられる磐座にふさわしい場所でした。
もとは「たかみくら大神」
高御位山の山頂の磐座は、このあたりでは最も優れた磐座として知られています。
後世、高御位山の神は大貴己命(おおなむちのみこと)とされていますが、もともとは単に、この磐座に宿られた神、つまり「たかみくら大神」として祭られたと想像します。
高御位山の岩座については、多くの伝承がありますので、次に紹介しましょう。
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